昨日、仕込みをしていたら、NHKFMから美空ひばりの「太鼓」が流れてきた。
小椋佳作詞作曲。能登の輪島の御神乗(ごじんじょ)太鼓をテーマにしたうた。
水曜日の夕方、徘徊散歩から帰ってきたら、齢(よわい)82歳です、とにこやかに笑いを浮かべながら、
「地震の見舞いです」といって、銀座のキムラヤのアンパンをもってきたおじいちゃんがきた。
ときどき、押上から八広界隈をぶらぶら徘徊散歩するのが趣味らしい。お店には、なんどか来たことがあるけど、「水木(定休日)」
「能登休み」にひっかかることが多い、と苦笑しておられる。
「珈琲を淹れますね」といって、ホボブラジルを淹れて、談論風発。
キムラヤのアンパンとホボブラジルも、けっこうあう(笑)
「楽しかったです。そろそろお暇(いとま)します」といった後、カバンから、
「これわたしは読んだので、あなたにさしあげます。どうぞお読みください」といって、一冊の本をくれた。
「吠えよ御陣乗」(荒井碧)。御陣乗太鼓は、輪島市の名舟神社、舳倉島に伝わる伝統芸能で、お面を被った男たちがが陣太鼓を打ち鳴らしながら勇壮に舞う。毎年正月に行われる神事だけど、今年は地震があったので3月3日、白山市の神社で奉納された。
能登の海女さんで知られる舳倉島の神様は、宗像神社のアマテラスさまの三女神を祀っておられる。
1569年ころ、宗像の鐘崎から13人の男女が、舳倉島までいき、海女の技術を伝授したのが、能登の海女さんのはじまり、
といわれている。そんなこともあって、最初に御陣乗太鼓を聞いた時の腹の底までズンとくる響きが、「どことなく九州やな」と感じた。
木曜日に本を読んで、次の日の朝に、美空ひばりさんの「太鼓」がラジオから流れてきたので、不思議なシンクロを
感じながら、仕込みの手を休めてきいた。
おじいさんからいただいた本には、赤線や赤〇や、書き込みがたくさんあった。「こんな本の読み方もあるんだ」
と、内容も涙なしには読めないけど、感心しきりで読破。
本の中に、志賀町の「あかりちゃん」という日本で一番古い灯台のキャラクターになった福浦港の話があった。
そこには、「腰巻地蔵」が祭られてある。北前船や富来の金山から金を運んだ港。やはり遊郭があった。本文を紹介・・・
能登の福浦(ふくら)には、腰巻地蔵という地蔵様があるが。それには面白い話が残っている。
ある遊女がたまたま泊まった水夫に惚れてしまい、逗留(とうりゅう)を長引かせようと、一計を案じて、
自分の腰巻を地蔵様に被せた。すると、地蔵様は女の香りを放つ緋色(ひいろ)の腰巻に刺激されて怒り狂った。
案の定、遊女が望んだとおりに海は荒れに荒れて船出はできず、水夫は。女の熱い思いに抱かれて、長逗留をする羽目に
なり、以来、この地蔵様は「腰巻地蔵」と呼ばれたのだ、と。
(注)この本の冒頭に、「能登とは、アイヌ語で『おちんちん』のことだ。ノが平常の小さなちんちん。
それが勃起して、トになる」とあった。
お地蔵さんは、怒ったのではなく、静かに鎮座したノが、艶冶な香りをかいで、緋色(ひいろ)の腰巻の下が、炎色(ひいろ)のトになって、
海が荒れたんじゃなかろうかしらん?こんど福浦にいったら、お地蔵さんに聞いてみます!
・・・映画「リトル・マエストラ」の予告編がユーチューブで見られる。
福浦港がロケ地だ。監督は、「九州気骨の会」のメンバーでもある雑賀俊郎くん(東筑高校卒)。
能登と九州とは、不思議なシンクロニシティーがいっぱい。感謝。