能登の珪藻土の竈(かまど)

昨日は「月曜の朝は玉子かけごはん」だった。
能登の珠洲は、今回の地震で大きな被害を受けた。
元珠洲駅は、道の駅になっていて、そこにいくと、ホームに看板があっていて、
「次の駅はシベリア」と書いてある。まさに、さいはての土地だ。
そこの珠洲は、昔から珪藻土の七輪が地場産業。今流行りの珪藻土のなんじゃら(建材とか、風呂の床材・・)
は、切り出した珪藻土を粉にして、いろいろな材料を練りこんだもの。
「丸和工業」は、「切だし七輪」といって、珪藻土の地層から、大きな塊を切り出し、それを加工して窯入れ
してつくっている。世界にも類をみない製法の七輪。

昨年、一昨年と震度6の地震で、その窯が壊れた。クラウドファンディングなどにより、二度もファイティングポーズを
とり、能登の復興のシンボルみたいになっていたけど、今回の大地震は、社屋まで倒壊し、まったく未来を展望できないような
状態にあるようだ。天真庵の珈琲の焙煎、月曜日の玉子かけごはん、焙煎機のUFO、能登ジェラトン(隕石粉入りセラミック)
も、その悠久の時間と、さいはての地質の融合した宇宙的規模の奇跡がかさなった産物。
人の人智を超越した世界のものだ。元の日常がもどるまで、かなり難航しそうだけど、祈るしかない。

今も、PCの横に置いてある携帯がブルッとなった。銀座のBIG bang、隕石直売所、なんやらかんやらカフェ
から、「珈琲豆なくなりそう」とのSOSメール。彼なりの「能登の応援」の証なのだと思う。
銀座の隕石カフェ(仮名)にいくと、エスプレッソで珈琲を淹れ、能登ジェラトンの珈琲カップで
美味しい珈琲が供される。ときどき納品にいくと、ぼくも770円払って、自分が焙煎した珈琲を飲む。
いっけん、いやぜったいに、「入りにくいお店」なので、ぼくが珈琲を飲んでいると、誘われる(安心して?)
ように、お客さんが入ってくる。そして一杯の珈琲から、宇宙旅行にいくみたいに、みなさん幸せな旅を
されているようだ。昨年あたりから、そんな新しい旅をする人がますます増え、いわゆる「オーバーツーリング」
になった気配もある。
明日は、役所広司さんの映画を予約しているので、朝はやくおきて、珪藻土七輪で珈琲豆をガラガラ焙煎することになった。
僕的には、そのガラガラの音に合わせて般若心経を唱える声が、能登の人たちの復興を祈る口癖のようになりつつある。感謝合掌。

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