能登のFの真ん中の━より北の被害が甚大だ。

本来だと「能登休み」で、能登で来週まで暮らす予定だったけど、
復興の妨げになってはいけないし、今どきの政治家のように現地にヘルメットかぶっていって、
炊き出しのカレーを喰うだけ、みたいなのも無粋だし、明日から通常営業をすることにした。

朝から炭火を起こして焙煎。珠洲の「丸和工業」の七輪が相棒。見附島を見てもわかるように、
珠洲は珪藻土でできている、といっても過言でない。その地層が今回の地震の影響したようだ。
ここ3年ほど毎年くらい大きな地震に見舞われ、丸和工業も窯が2回壊れた。見附島もそのたびに
形が変形した。小さな地域だけの経済でなく、世界的に「珪藻土七輪」が注目を集めはじめた時期なので、
なんとかまたファイティングポーズをとっていただきたい、と微かな希望を持ちながら、
手廻し焙煎機を♪ギャーテーギャーテー ハラソウ ギャーテーと唱えながら豆を焼く日々。

今月末から「味噌つくり」が始まる。昨年までは能登で自然農法をやっている「地球知足」さんに大豆を
頼んでいたけど、今年は夏の気温が異常にあがって、収穫がすくなかった。異常気象も「毎年」のレベル
になりつつある。タコが昨年は一匹しか釣れなかったのも、海水の温度と関係したり、今回の地震を
ナマズみたいに予知していたのかもなんばん。ナマコも今年は見かけなかった。

味噌つくりにかかせない「塩」は、輪島の塩屋さんにお願いしているけど、やはり大きな被害にあわれていて、
少し変更やむなき現状である。

昨日は輪島の酒屋さんに電話をしたけど、まだ繋がらない。天真庵の漆の器をお願いしている職人さんの
アトリエも、輪島の朝市通りの近くなので、安否が心配だ。

昨日のマンデラさんの演説ではないけど、これから復興をしていくのには、政治家とか、ヒーロー
みたいな人を待っていてもしょうがない。「自分なんて」といつもは、うつむいている人の「天真」
の奥底をみつめて、凡夫だとか平凡だと思っているひとりひとりの「目覚め」と、小さな力かもしれないけど、
手と手をあわせて、協力しながら少しづつ前に進むしかない。
縄文人が、50人規模の集落で、最低限の「国家」みたいなものを形成しながら、何千年と平和に暮らして
いた能登。学ぶこと多しだ。感謝。