晴耕雨読の能登暮らし

能登は朝から冷たい雨が降っている。
能登くらしは、晴耕雨読でゆっくり隠居生活を楽しもう、
と思っていた。でも田舎暮らしは、思ったよりもやることが多い。
釣り、田んぼ、畑、畑の横には、栗の木と柿の木がそれぞれ2本あって、先月は
栗の収穫が日課になった。今月は柿。うちの柿は甘柿でそのまま皮をむいて食べればいい。
家の横の畑の柿はお隣さんのものだけど渋柿で、「去年の倍以上の豊作やから、よかったら
好きなだけもっていって」とのこと。
お言葉にあまえて、雨がやんだら、明日あたり収穫したいと思っている。

昨日はアオリイカを二尾さばいた。能登町の「ふくべ鍛冶」さんの「イカ割き包丁」を初めて使った。
24か月待ってできあがってきた。少し小ぶりの出刃で、しかも両刃(普通は片刃)になっているので、
しろうとさんにも上手に魚がさばけるようになっている。もっとも、イカの包丁さばきは、簡単で、
流行りの「キッチンばさみ」があれば、事が足るような気もする。
到来ものの「ふくらぎ」(ブリの若)も、その包丁で捌いて、サシミとパスタにした。アラと美味いカマは
野良ネコの餌にした。あまりの美味さに、なわばりを超えて食べにきたニャンコと、熾烈な戦いも始まった。
食べ物のうらみはこわい、というのは同じだけど、地雷やミサイルが飛んだりしないぶん、平和な争いだ。
余談になるけど、イカは猫には消化酵素がない。日本一イカの美味しい土地に生まれながら、味わえないのは不憫なので、
ふくらぎのアラを煮込む鍋に、すこしイカの刺身をいれてあげた。もしもの時は、正露丸がある(笑)

今朝も雨の中、どこからからわが拙宅にネコ三匹がきている。彼らは晴耕雨読というわけにはいかない。
昨日ののこりのアラをあげるとしよう。そしてぼくたちも、ふくらぎの残りを焼いて、朝飯にしたいと思っている。
ふくらぎとは、福が来る、という縁起だ。残りものにも福がある。
そして、雨もまた良し。こんな日は、蘇東坡(そとうば)の詩を口癖のようにツイート。

この処 これ道場
道窮りなし
出会いは 人生の宝
雨も奇なり
晴れも好し

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