マタキタクナール

水曜日の17時に、そばのお弟子様と神谷バーで待ち合わせ。
合羽橋に買い物をして、浅草神社(浅草寺の隣にある神社)にお詣りして、
30分はやめに浅草一丁目一番地にあるバーの前についたら、レジに外人が並んでいた。
(ここは、席がきまったら、玄関横のレジにいって、注文する・・・がルール)
「満席かもなんばん」と直感して、お店に入ったら、左の部屋の一番奥のテーブル
だけ空いていたので、そこに荷物を置いて、レジにいき、ビール大ジョッキ、電気ブラン、
ポテトフライ、イカリング、チーズ盛り合わせ・・などを頼んで、30分間「ひとり飲み」を楽しんだ。

うちの常連さんのおとうさま(97歳)は、40年ちょっと、定休日の火曜以外は毎晩神谷バー
で飲む、という極めつけの左党がいた。過去形なのは、押上から浅草までを歩いていく、帰る、を
ならわしにしていたので、足がおぼつかなくなった93歳の春、「現役引退」を宣言された。
10年ほど前に、天真庵のカウンターで珈琲を飲んでいた某新聞社の記者が、「取材したい」
ということになった。それを伝えた常連さんにおとうさんが一言、「おれは新聞にのるために飲んでいるのではない」と。
さすが、気骨が違うと感じた。

昭和の終わりころ、秋葉原で会社を立ち上げた。京都から東京にでてきて間もなくのころ。
浅草の神谷バーで飲んで、向島で芸者遊び、というのが接待のコースだった。
大事なお客様の時は、神谷バーの三階の畳の間で飲んだ。一階よりも落ち着くぶん、メートルもあがり、
調子にのって電気ブランを飲みすぎ、気がついたら、お客さんを四の字固めや、コブラツイストをしていたことも
しばしば・・(笑)商談は破談になりそうな話だけど、時代がよかったのか、みんなうまくいった(断ると怖かった?)

余談になるけど、神谷バーには、しばらく砂場が用意されていたらしい。酔いすぎのお客の戻し場。
いいお店のお酒には「マタキタクナール」というエキスが入っているような気がする。電気ブラン
にも、「ノミスギニン」みたいなものが混入されているのかもなんばん。感謝。

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