昨日のお昼、「銀座の隕石直売所」の店主の「王子」がそばを手繰りにきた。
2019年まで、スカイツリーの足元で「隕石直売所」をやっていた。
テレビなどの取材も頻繁にあり、界隈で知らない人はいなかったけど、
「お店に入ったことがある」という人は、墨田区の住民約30万人の中でも
1000人もいないのではなかろうか?ぼくもその1000人のひとり(笑)
2019年に銀座に移転。このへんの人たちは「つぶれた?」と思っていたけど、
大いなる栄転である。銀座松屋の駐車場のあたりを徘徊すると「隕石直売所」という看板が見える。
カフェも併設しているので、入りやすい?
そのカフェで使っている珈琲豆は、不肖野村が炭火焙煎している。そんな関係で、ときどき「銀ブラ」(銀座でほぼブラジルの略)
を兼ねて、お邪魔している。あたりは、数々の珈琲の名店があるばってん、それらの競合店に負けじと、香り高い「隕石珈琲」
を提供している。先々月は、月に10kも注文がきた。ぼくが卸している「珈琲屋」の中でも一番多い(笑)
宇宙規模な広大無辺な四方山話をしていたら、禅僧様がそばを手繰りにこられて王子と入れ替えになった。
王子もお坊様も、髪型がいっしょだ。
お店の壁には、時計の文字盤(針がついていない)がぶら下がってあって、そこに「少しくらい時間から自由になれたらいいのにな~」
とぼくが落書きした紙がはってある。最初にそのお坊様が来た時、そこの席に座り、「これは、禅の神髄ですね」といわれた。
カウンターの上に飾ってある「寒山拾得」(かんざんじっとく)の絵を見て、「ときどき、京都にいくと、『じっとく』(coffee house 拾得)にいきます」とのたまわれた。ぼくが学生のころからあるライブハウスの老舗。
今日も早朝から元気にそばを打った。外には「拾得」さまが・・拾得は、箒をもって落ち葉を掃く構図で描かれてきた。典座(てんぞ)といって、お寺の「まかない」をしていたといわれる。相方の寒山は、筆をもった構図で描かれてきた。寒山詩を残した。禅林や絵描きが好んで「寒山拾得」を描いた。
定年を迎えて、家でごろごろしている男のことを「濡れ落ち葉」というらしい。東京では庭を持つ家は少ないけど、マンションでも
表にでると並木があったり、公園があったりする。箒をもって「拾得」になった気分で落ち葉を掃く、のも一考かもなんばん。
天真庵の隣のおじさん(ぼくよりひとつ年下のくまもん)は、毎朝自分ちの前から天真庵の前の落ち葉やゴミを掃いておられる。
近所の人から「なんで、よそのところまで掃いているんだ」と声をかけれたことがあった。すかさず「暇だから」と答えて笑っている。
ぼくは彼のことを「じっとくさん」と呼んでいる。天真庵はお坊さんみたいな人に支えられているみたいだ。天恩感謝。