「先週の日曜日にきたら、空いてなかった」と笑いながら、アラウンド後期高齢者の男性が元気に
カウンターにとまった。片手に、大きい方のオズマガジン。(小さいほうは、眼があがる50代あたりから読みにくくなる・笑)
迷わず、掲載されたそばの「梅おろしそば」を所望される。
夏は確かに、梅おろしそばが一番人気だ。それに加え、先月テレビの「よじごじdays」でも梅おろしそばが紹介されたので、
圧倒的に今週は「梅おろしそば」がでる。
「オズマガジンを読むなんて若いですね」と尋ねたら「愛読してます」と真顔でおっしゃられる。
「?」という顔をしていたら、「足を弱らせないように、散歩を趣味にしています。住んでる池袋だけは飽きるので、
『オズマガジン』がでたら買って、特集の街のまわりを歩く、をならわしにしています」とのこと。
「いろいろなお店が紹介されているのに、なぜ天真庵を?」と質問。「この年になるまで、うどんが好きで、いろいろなうどんやで
食べてきたけど、最近そばにはまり初めまして・・」とのこと。そして「池袋には美味しいそばやがないので・・」
というので、「六つ又交差点の近くに、『一栄』というそばやがあります。「蕎聖」と呼ばれた一茶庵創業者の片倉康雄一のもとで修行されたかたで、そばは逸品ですよ」と教えた。「飽きるまで、天真庵に通おうかと思っていましたが、近くにそんな名店があることを知り、助かり
ました。」といって笑っている。
ぼくも、押上にくる前は「上池袋」に住んでいた。JR板橋駅、JR大塚駅、JR巣鴨駅からおばあちゃんの原宿経由、IR池袋から、
といろいろな駅から歩いていけた。目白のヨネクラボクシングジムまでも歩いて通ったので、その界隈はどこでも徘徊できる。
「いつもと違う駅におりて会社にいく」「いつもと違う駅でおりて自宅にもどる」をやってみると、いろんな出会いがあって楽しいものだ。
お店を押上ではじめたころ、仕込みが終わって、「鳩の街商店街」「東向島」など、遊郭のあった街を散歩するのが楽しかった。
つい路地裏などを歩きはじめたら、迷子になり、開店に間に合わぬ憂き目になんどもあった。
京都もそうだけど、歩きながら足で見る街の景色ほど愉快なものはない。
明日は「歯医者」。元いたとこの近くの滝野川の歯医者に通っている。時間に余裕があれば、
巣鴨でおり、おばあちゃんの原宿経由でいく。歯の掃除がおわると、板橋駅近くの老舗の古本屋にいったり、
池袋の「一栄」でそばを手繰ったり、大塚の「江戸一」で一献の寄り道を「徘徊散歩」と称しながら楽しんでいる。
「はめまら」の法則どおり、歯も眼もマラも弱っていくけど、そばの美味さとか、酒の味というのは、ますますあがっていくような感じの今日このごろ・・に感謝。