お世話しあうハウス シエアハウス ゲストハウス

中秋の名月というのは、旧暦で8月15日。
これを過ぎたら、「そろそろ鍋の季節ね」なんていう感じだったらしい。
今年だったら、40度近い気温の中で「鍋」をやることになる。
まるで暑気払いの鍋だ。

昨日、梅林ガールズのひとりで、近所のシエアハウスに住むKちゃんが、そばを手繰りにきた。
建物の老朽化で、来年そのハウスからでることになったらしい。
一昨年、シェアハウスメイトと能登の梅茶翁にきて、梅をもぎ、梅干しをいっしょにつくった。
そんなこともあって、「能登に生きる」も選択のひとつになっているとか・・・

Kちゃんの旧友で、東京から能登へ移住し、原住能登民と結婚し、珠洲でカフェを
やりながら、子育てをしている女子がいる。それもあって、能登は身近な場所で、
次のイドコロにする選択肢は、無謀ではない。でもぼくは最近若い人にも「きめないこと」
をすすめている。道はいくつもあるし、右へいこうが左にいこうが、後戻りもまたよし、の
「あそび」が必要な時代かもなんばん。

能登の赤崎でTOGISO(富来荘)というゲストハウスをするSくんからメール。「オズマガジン読みました」とのこと。
彼は東京と能登を往復しながら、TOGISOを運営している。スタッフも、同じく二股暮らし。
今月は、次のイドコロになる古民家の「かたずけ」をSNSで募集し、ワークショップよろしく
お祭りのような感じで行った。「古民家をリノベして、田舎暮らし」・・・「違う生き方ないかしら?」
の都会人には憧れのフレーズだが、最初の3年は、家のかたずけや、草むしりや、近所の人たち
と新しい都会とはまた違った人間関係を構築する日々が待っている。
どの道も「石の上にも3年」なのだ。

夕方、「お世話しあうハウス」の女将さんと、最高齢で95歳になるハウスメイトが、そばを手繰りにこられた。
ふたりとも、北陸出身で「越前そば」が大好物。だからいつも同じように、おろし大根をそばの上にのせ、梅干し、かつおぶし、
刻み葱、のりをのせ、その上にそばつゆをぶっかけて食べる「梅おろし」を所望される。
昨日は95歳のおばあちゃんがいつもより若く見えた。お勘定の時、女将さんが「今日は定期健診にT病院にいったら、
お気にいりの若先生にあったので、うれしくてしかたないみたい。私にはしないけど、若先生は彼女にあうとハグを
するのよ」だって(笑)「色気」は大切ね!医は算術というけど、薬よりハグ!かもなんばん。
そして、カウンターで柚子胡椒つくりの青い柚子を見て「柚子は能登でつくっているの?」と聞くので
「いや、これは買っています」と答えた。「自分でつくれば・・・」といいかけてぼくの顔を見て「間に合わないわね」とツイット。

桃栗3年 柿8年 柚子のばかたれ18年。

石の上に3年、古民家の掃除に3年、それから桃栗・・・どちらにしても、人生なんて、「つかの間」だ。

今日は中秋の名月。雪月花な人生味わっているかい?

また夏にもどったような暑い日が続いたので、ピンとこないけど、
今日は中秋の名月。

昨日、秩父の三峯神社にお詣り。
両神温泉にちゃぽんとつかり、そこから山のほうにまた走って、行きつけの蕎麦屋へ。
いつも豆腐とてんぷらをアテに、秩父の地酒「武甲」をぬる燗で、一二本飲んで、
そばで〆る、のお店。
温泉好きのともちゃんもいっしょで、「女の長風呂」よろしく筆子さんたちを休憩室で待つ間、そこにあった「夏子の酒」
を二巻読み終えた。そしてちょうどそばやに着いたのが
12時を少しまわっていた。駐車場が満杯、しかも車の中に「順番待ち」して、イライラしているような人たちが
あまたいた。そば前(そばがでてくる前に飲む酒)の前、お店に入るのに一時間はかかりそうな気配なので、
お昼ヌキ(もともと昼は食べないけど)で神社へ・・・本来ヌキとは、そばをぬいて酒のアテにするもの。(例)天ぬき・・天ぷらそばのそばぬき!
いろんな神社にお詣りにいくけど、ここ三峯神社は、気が宇宙から直接降り注ぐような感じがして、大好きな場所。

平日だったけど、風呂もそばやも神社もいっぱい人がいた。そして高速道路もけっこう渋滞していて、
押上にもどってきたのが18時半。高速道路で見る月が、「ほぼ満月」やった。
いつも不思議に思うのだが、深谷とか高坂あたりで見える月は、大きい。空気?高さ?・・・
ひょっとしたら、まだこのあたりは、太陰暦のまんま?と思うくらい見事な中秋の名月の宵月を堪能した。

同じ月とは思えない、ひとまわり小さな月を見ながら、京島の燕京亭へ歩いていって、ビールと餃子と五目そばで反省会。
前日神谷バーで「電気ブラン」を飲み過ぎたことまで、反省した。電気ブランに火がついて、浅草のバーを三件梯子(笑)

街の歩き方・・・の一歩一歩が人生?

「先週の日曜日にきたら、空いてなかった」と笑いながら、アラウンド後期高齢者の男性が元気に
カウンターにとまった。片手に、大きい方のオズマガジン。(小さいほうは、眼があがる50代あたりから読みにくくなる・笑)
迷わず、掲載されたそばの「梅おろしそば」を所望される。
夏は確かに、梅おろしそばが一番人気だ。それに加え、先月テレビの「よじごじdays」でも梅おろしそばが紹介されたので、
圧倒的に今週は「梅おろしそば」がでる。

「オズマガジンを読むなんて若いですね」と尋ねたら「愛読してます」と真顔でおっしゃられる。
「?」という顔をしていたら、「足を弱らせないように、散歩を趣味にしています。住んでる池袋だけは飽きるので、
『オズマガジン』がでたら買って、特集の街のまわりを歩く、をならわしにしています」とのこと。
「いろいろなお店が紹介されているのに、なぜ天真庵を?」と質問。「この年になるまで、うどんが好きで、いろいろなうどんやで
食べてきたけど、最近そばにはまり初めまして・・」とのこと。そして「池袋には美味しいそばやがないので・・」
というので、「六つ又交差点の近くに、『一栄』というそばやがあります。「蕎聖」と呼ばれた一茶庵創業者の片倉康雄一のもとで修行されたかたで、そばは逸品ですよ」と教えた。「飽きるまで、天真庵に通おうかと思っていましたが、近くにそんな名店があることを知り、助かり
ました。」といって笑っている。

ぼくも、押上にくる前は「上池袋」に住んでいた。JR板橋駅、JR大塚駅、JR巣鴨駅からおばあちゃんの原宿経由、IR池袋から、
といろいろな駅から歩いていけた。目白のヨネクラボクシングジムまでも歩いて通ったので、その界隈はどこでも徘徊できる。
「いつもと違う駅におりて会社にいく」「いつもと違う駅でおりて自宅にもどる」をやってみると、いろんな出会いがあって楽しいものだ。

お店を押上ではじめたころ、仕込みが終わって、「鳩の街商店街」「東向島」など、遊郭のあった街を散歩するのが楽しかった。
つい路地裏などを歩きはじめたら、迷子になり、開店に間に合わぬ憂き目になんどもあった。
京都もそうだけど、歩きながら足で見る街の景色ほど愉快なものはない。

明日は「歯医者」。元いたとこの近くの滝野川の歯医者に通っている。時間に余裕があれば、
巣鴨でおり、おばあちゃんの原宿経由でいく。歯の掃除がおわると、板橋駅近くの老舗の古本屋にいったり、
池袋の「一栄」でそばを手繰ったり、大塚の「江戸一」で一献の寄り道を「徘徊散歩」と称しながら楽しんでいる。
「はめまら」の法則どおり、歯も眼もマラも弱っていくけど、そばの美味さとか、酒の味というのは、ますますあがっていくような感じの今日このごろ・・に感謝。

オズマガジンの効果?

15日にオズマガジンが発売された。「押上・曳舟・向島」特集。(オズマガジンは、大きいのと小さいサイズの2種類あるのね。
先日スカイツリーの中の本屋で発見してそれぞれ買って、久保さんには、大きいほう、お店用に小さいサイズ。値段はどちらも850円。
女性は携帯して散策するので、圧倒的に小さいほうが売れるらしい)
かわいらしいモデルさんが、表紙でキラキラ商店街のコッペパン屋をのぞいている。
30代までの女子がターゲット。この界隈が好きだった「墨東奇譚」を書いた永井荷風先生
は「40代はおばあさん」と書いた。今なら炎上しそうな・・・・お話
そんな若い人向けの雑誌に、67歳になる骨董屋みたいな「そばや」(主人が骨董?)が紹介された(笑)
同じページに紹介されたスパイスカフェのシェフも50代になり白髪が増えた・・

そんなわけで、昨日は20代30代の女子があまたこられ、そばが2時間ちょっとで売り切れごめんになった。
いつものようにそれから「ガレット」を焼き続けるハメになった。でも若い女子たちは、自然に「おいしい」
と叫び、久保さんの志野のガレット皿をみて「かわいい~」を連呼していた。
少し余裕がある時は「かわいいちゃうねん、シノ(志野)ゆうねん。」とかいって教えてあげるのだが、昨日は
閉店まで忙しく、そのままだまってガレットを焼いた。

お店が終わってメールをチェックしていたら、能登の「TOGISO」のオーナーのSくん(40歳になったばかり)から・・
彼は東京で不動産関係(といっても、ITを上手に使いながらユニークな発想で楽しくやっている)仕事をしながら、能登の赤崎という小さな漁村の古民家を買って、民宿&カフェをはじめた。
管理人のMちゃんも、毎月東京と能登を往復している。カフェの開店日は、不肖のむらくんが「一日店長」をまかされた。
「能登」という雑誌の最新号は「能登に泊まる」。そこに掲載され、また最新号がめちゃくちゃ売れているらしく、
TOGISOも大忙し。

話は前後するばってん、昨日きた若いカップルさんたちに「遠くからきてくれたん?」
と聞くと、「いえ、近くのマンション」というカップルが二組。一組は、徒歩3分あたりのマンションで
1LDKで、18万。一組は押上の「エキチカ」の1LDKで20万を超すらしい。
ちょうど、ぼくのそばのお弟子様で、一昨年に埼玉のおばあちゃんの棲んでいた空き家に引っ越したくんが、
家族4人でそばを食べにきていて・・・「ぼくたちが住んでいた押上駅前の1LDKも20万でした」とのこと。

2007年に押上村で天真庵を結んだ時には、スカイツリーもお洒落なカフェもなく、駅から徒歩15分も
歩いて、スパイスカフェでカレーを食べたり、うちでそばを手繰ったり、が押上村散歩の基本やった(笑)
10年ひと昔。15年はふた昔。15年前に近くのマンション(2LDK)に住んでいた時の家賃は、15万やった。
池袋の自宅兼仕事場の家賃が50万だったので、「安い」と思っていたけど、今だと1LDKにも住めない・・
20年以上も給与があがらない国で、こんなに物価があがっている最中、みんなよくこの東京砂漠で生きているな~
と痛感した日。

今日も12時から16時まで営業。
それから「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」二階は「ゆるゆるヨガ」
明日の朝(8-10)は「卵かけごはん」 オズマガジンに月曜日のことも記載されていたので、奇才を発揮しなくちゃ。感謝。

総湯で「そうよ」と悟る

東京に出発する時は、藤瀬霊水公園で霊水を汲む。
70L。お店の珈琲やそばを打つ時に使う。20日の営業でギリ。
お店には、もともとスゴイ浄水器もあるので、足りないときはそれで代用。
今年は暑くて、「水出し珈琲」にも使ったりしたので余計だ。

その後は、和倉温泉の「総湯」に浸かる。加賀屋の元湯でもあり、
海水の塩分濃度に近いような塩っからさがあって、ポカポカになる。
朝早くからあいていて、480円で入れる。能登半島に暮らしていて、「幸せ」を
感じるのは、空気や水がうまいことが一番だけど、この「総湯」があるのも大きな要因だ。

ちょうど、大学生の男女4人が、いっしょになった。10時半。
スマホをみながら「11時10分ころ」と、あがる時間を打ちあわせ。
女子はふたりともモデルみたいにきれいでスレンダー。男子はふたりともブオトコくん(すこし妬みもあり?)
ぼくは、カラスの行水よろしく、いつも30分以内にでて、新聞(総湯にはおいていない)や、
本をもっていって、休憩室で読む。ちょうど11時くらいにでたら、女子ふたりが休憩室で
冷たいものを飲んでいた。その前の席で、持参の本を読んでいたら、女子大生に「おとうさん、どちらから
きはったんですか?」とえせ京都弁で聞かれ、「君らを産んだり、しこんだりしたおぼえはないばってん、東京やで」と答えた。聞くと、4人は♪グレータ立命、でぼくの後輩にあたる人たち。もう半世紀ほど前になるけど、ぼくも一回生の夏、ELSの合宿で能登にきたことを思い出した。

その秋、今は上場会社の社長をやっているIくんとふたりで、「金沢・能登の3泊4日」の旅を企画して、サンダーバードに
のって金沢まで旅したことがある。一日目の夜、香林坊と片町の居酒屋を梯子した。ふたりとも、安兵衛という荒神口にあったおでん屋で、
名誉冠の徳利熱燗をそれぞれ10本空にするほどの酒豪やった。貧乏学生の貧乏旅行・・・一日でふたりの財布はすっからかんになり、
次の日に京都にもどった。それからIと大阪や東京で飲むたびに、その時の話をする。そして、ぼくより少し経済観念がしっかりしていて、
記憶力のあるIが、「野村が香林坊のスナックのいこうということになり、そこであり金をぜんぶはたいた」といって笑う。

女子大生とそんな不埒なおじさんの昔話をしていたら、男子が約束より20分おくれの11時半にあがってきた。
昨年、「輪島カブーレ」という、温泉と宿泊とそばやが梯子できる総合施設(輪島塗の職人のアトリエを改装している)で飲んで、
生まれてはじめて「ゲストハウス」なるもんを体験した。朝、同じ部屋にとまった見知らぬ20代男子くんふたりが、30分かかって鏡の前で、顔を剃り、化粧?をし、櫛をいれる現実を鏡越しに見た、ことを思い出す。男女がアベコベ?均等?どうも頭が固くなったのか、
インバウントもインボイスもジェンダー論も、ついていけてない。

今日明日は12時から16時まで営業。
その後は「UFO焙煎塾」「そば打ち教室」
明後日の朝は「卵かけごはん」

東京くらし・・・一日目・・?オズマガジンを見て奮起?

昨日の夜9時半くらいに東京に出稼ぎにきた。
前のアコレ(アレコレから命名・・夜10時?くらいまで営業。能登の家から歩いて25分の
能登コンビニの中根商店は、夕方5時にはしまる・笑 東京は便利だ)でサッポロ黒を買い、
ぐいっと開ける、のが東京に無事帰ってきた、の祝い。

今朝は朝5時におきて仕込み。そば汁・珈琲の焙煎・水出し珈琲・そば豆腐・・・・一日目は
ラジオやCDを聴きながらダラダラやるのが好きなので、お昼前にはサッポロ黒をあけ・・・
アル中オヤジのカフェ時間?
留守の間、プランターの水やりや、雨の日や風の日は、店をあけて窓の調整をしたり、郵便物を
預かってくれる大家さんに、能登栗と、氷見の白えびソーメンをもっていく。

預かってもらった郵便物に「オズマガジン・押上・曳舟」の最新号があった。つまり弊店が
閉店よろしく半分近く開けていないのに、掲載された。ちょうど取材日に、ぼうテレビ局の
人と打ち合わせしていたので、筆子さんが対応した。
久保さんの「斑唐津」の器に梅おろしそば、高台つきの白い珈琲カップにホボブラジル、の写真がまぶしい(笑)
実は最近、この界隈にあまたの「カフェ」ができて、清住白川の次は「押上?」の勢いがある(ないと、思うけど・・・
この界隈の人は、直情的なんと、根拠のない自信にみなぎってる人が多い。16年いるのでよくわかる)。
でも、この雑誌を見ると。。。「なるほど」というトレンドみたいなもんが見える。
「これからカフェをやりたい」と思っている人は、ぜひ買って(850円)研究してほしい。

久保さんにも、見せたいので、スカイツリーの中の本屋にいった。スカイツリーは、インバウンド真っ盛り。
最近世界的に露出癖女子が多い?のか、ホットパンツからあふれそうなおしりをプリンプリンさせながら、
ボンレスハムが白いシャツきて焼き印?、安っぽい刺青、というかタゥーした女たちが闊歩している。
わが国は斜陽の一途で、こげな人たちのおかげで成り立っていると思うと、少しなさけなくなってくる。
インバウントと来月から始まるインボイス・・・・どちらも、「滅びにいたりそうな」言葉であり制度やね。

ぐちっていても始まらない。明日から「営業」開始である。
12時から16時。写真はご法度、一時間で追加オーダー・・・・時代遅れ(オズマガジンには、そばや・天ぷら屋・寿司屋がのっていない)
のそば屋みたいなカフェだけど、もう少し、存在の価値はあるのかもなんばん?最近一日目のエンジンがかかりにくい。
昔の車みたいに「チョーク」が必要みたい。そろそろ能登で「林住期」かな・・・

黒島・福浦アートプロジェクト

来月の10月14日(土)から、11月12日(日)まで、そんなアートな催しがある。
こないだ、京都からきたお弟子様と、気分転換に黒島のカフェにいって、そこに間借りしている「じんさん」
が打つそばを食べた時に、パンフレットをいただいた。
黒島というのは、輪島にあって北前船でもうけた豪商たちが建てた家が残っていて、そのひとつを上手に改装した夫婦(東京から移住)が
はじめたものだ。じんさんも東京から移住して、いろいろなところで、「蕎麦切りじん」をやり、能登では指折りのそば切り職人
になった。そのほかの指折りも、一回はいってみたが、ぼくてきには彼のそばが一番。
間借りは今年11月くらいで終了し、それからは自分で穴水でそばやをやる予定。63歳になるけど、「これから」が楽しみだ。

福浦というのは、わが町志賀町にある。志賀町のユルキャラ、あかりちゃんは、福浦にある日本最古の木造の灯台を
モデルにしたものだ。8世紀には渤海国と交易し、藩政時代には北前船の避難港として栄え、花街みたいな残り香がする港。
2013年には、そこを舞台にした「リトルマエストロ」(監督・雑賀俊郎)という映画が上映された。
雑賀くんは、「九州気骨の会」のメンバーで、若いころよく飲んだ。じんさんと同じ犬年生まれ。映画のヒロインはまだブレーク前の有村架純ちゃん。
スターになる原石をみつける監督の眼みたいなもんを感じる映画でもある。「能登」の原風景がいろんな場所に表現されていて
とてもいい映画。

明日の朝出発するので、今日は珪藻土七輪で炭火焙煎をする日。今回は「能登で始める・・・」に、ふたりの女子が参加
されたので、珠洲にも梅茶翁にも立ち寄らずに、藤瀬霊水を汲んで東京に向けていく。
北前船のリトル車版?みたいな二股暮らし。
都会と田舎の二か所暮らし・・・6年やって感じたことは、「2倍」どころか「5倍くらい」の「ゆたかさ」や「気づき」を味わえる。
お金に換算すると、そう実感する人は稀有やと思うばってん。「いきなり移住」は、ハードルもリスクも高いけど、
できる人は、ぜひチャレンジしてほしい。黒島にも福浦にも空き家がいっぱいある。来月きて、気にいったらお土産にどう?感謝。

秋の卒業式。

京都から車で来て、「能登で始める三日坊主の珈琲塾」を受講した姫が昨日で無事卒業。
朝、UFOで焙煎した珈琲豆でハンドドリップ。初日とはダンチのレベルの
珈琲が淹れられた。若いころ京都で修行した珈琲道を伝授して、それが京都に里帰り?
と思うとロマンを感じる。土産の阿闍梨餅が美味い!♪仰げば尊し 和菓子の恩・・ 

今朝は朝から曇っている。
釣りにいこうと、倉庫にいったら、畑に栗がいっぱい落ちている。
栗が大きくなって、イガからはちきれそうになったら(ビキニの胸からポロッとおっぱいがこぼれる感じ)、
ニュートンの法則で大地に落ちる。そうすると、はやく収穫しないと虫が
ついたり、動物が夜食にしたりする。田舎に暮らすと、循環とか食物連鎖を感じることが多し。
でも今年は、雨が少なくて、ポロッが少ない気がする(笑)

今日から天気が下り坂なので、釣りをやめて、栗ひろいに変更。
もう一度家にもどり、半ズボンを長ズボンに、Tシャツを長袖のシャツに着替え、
スリッパを長靴に履き替えて、畑。田舎の正装いうか、そうでないと、蚊やハチやブヨ
の餌食になる。
イガをはずし、ざるにいれる。まだまだ暑いので、冷凍庫で保存。

横の畑には、先週蒔いた「ねずみ大根」の芽がでてきた。再来月には、ねずみ
みたいなかわいい大根が土の中から顔をだす。新そばの季節に、自作の辛み大根が
揃う。至福の秋。お店を始める前に、福島の箪笥職人のアトリエに遊びにいったことがある。
その人は、自分でそばを打ち、畑から辛み大根をほって薬味にし、歓待してくれた。
ご馳走とは、畑に走っていって、畑にある野菜と忖度して、客人をふるまうという意味らしいが、
「まさにこれだな」と悟った。だから能登で暮らしはじめ、最初にやったのが辛み大根つくり。
それから6回目の種まきになった。ぼくも小学校の卒業式みたいなもんだ。
今宵は日本酒で乾杯しよう。♪仰げば尊し 和菓子の・・・
柿の羊羹も冷蔵庫にある。羊羹やあんこで日本酒を飲むと、わが師も住む場所が、この星ではなくなるかもなんばん。

能登で始める3日坊主の珈琲塾

昨日が初日。
京都から車にのって京美人がやってきた。
朝UFOで焙煎したモカマタリを、和っち珈琲で水出し珈琲を飲む。
味を覚えてほしいので、昨日は「水だし珈琲」の勉強をした後、
さざえごはんを食べた。土産にもらった京都の「豊漁」(向井酒造)
があまりに美味いので、アオリイカの刺身をアテに、飲んだ。

今日は、朝はやくから珈琲のお勉強。朝ごはんにガレットを食べ、その後も
焙煎したり、ハンドドリップをしたり・・・
珈琲をガブガブ飲みすぎて、お昼に天領黒島のカフェを間借りしている「じんさん」
のそばを食べ、じんのびの湯につかり、極楽浄土みたいな沈む夕陽をみながら気分をかえ、
これから夕餉。畑の栗を収穫して、土鍋で「栗ごはん」を炊いているところ。

アオリイカのゲソを使ってもアテ。この界隈はアオリの季節になり、連休とかさなって、金沢ナンバーや他府県のナンバー
の人たちが、アオリイカを釣りにやってきている。
アオリは、ニンニクとの相性がいいので、フライパンに油をひきニンニクをいれ、ゲソ、みみ、をいれ、青物野菜(今日はアスパラ)
を加えて、強火でいためる。しあげに「かえし」をパラリ。
作っている途中にビールがほしくなる逸品。

これを書いている途中、栗の木のある横にいるおばちゃんが、「今日も栗が落ちているわよ」
とわざわざもってきてくれた。これを書いたら、イガをとる作業にかかろうと思っている。

いっぱいやることがある田舎暮らし。汗をかいた後のビールがまた美味い。感謝。

利休もびっくり・・・和っち珈琲

9月も後半になるのに、まだまだ暑い。能登も暑い。
毎朝釣りにいき、朝飯前に野良仕事をする。
今は畑にある二本の栗の木が毎日「食べて!」と実を落とすので、
イガをとって収穫。6年やっているので、玄人はだしレベル?今日は京都から「能登で始める三日坊主の珈琲塾」にきはる人ありで、
終わったら、栗ごはんでも食べようか、などと思っている。

あ、ウソ。昨日近くの海女さんがざざえをいっぱいもってきてくれたので、今日は「さざえ飯」。
さざえを生きたままボイルして、その茹でた汁、さざえ、きざみショウガ、醤油、酒をいれ、
土鍋で炊く。ゴハンというより、アテになるメシやね。

毎週土曜日は、「田舎の働き方改革」みたいに、みんな船はださない、海にもぐらない、釣りもしない日。
今日は8時半に、集会所に集まって、みんなで草むしり。税金がたっぷりあって、道の掃除とか、除草とか
を勝手にやってくれる東京とは勝手が違う。あくまで住んでいる人たちが、できることをみなでやる。
神社のまわりの草取りなども、定例的だ。「蚊や虫がいやだ」なんていってられない、のが共同社会の基本。

昨日のニュースで特集されていたけど、東京の分譲マンションで、相続を放棄された部屋か空になると、
そのマンションの人たちのお金で、片づけ、改装をしたりして、元の状態にもどす、のが、ならわしに
なっているとか・・・本来、将来にマンションの外壁とか、水まわりとかの改装をするために貯めているお金
を使うので、将来の「貯金」が少なくなったりしてるらしい。
そもそも「となりはなにをしている人」なのかがわからない匿名の街に住んでいて、その匿名の人の事情で
自分たちの未来が壊れていく、のは、なんとなしに不条理だ。でもこれからの「都会の老後」を象徴している。
「リノベカフェ」なんて言葉先行の流行りが横行しているけど、見知らぬ人の「リノベルーム?」のドネーション
みたいなことが日常茶飯になりそうな感じ。「都会」と「田舎」・・・一長一短あるな~ でも人間関係は時代と
ともにめんどくさくなってきた。

15日発売の「OZマガジン」は、押上の特集、らしい。
それを読んだ近所の美人の常連さま(55歳)から「知らない間に、素敵なカフェがいっぱいできた」とメールがきた。
「30代までの女子が読むような雑誌を読むなんて、まだ若いね~」と返事した。
能登では、一番近いカフェは、歩いて一時間ほどのところに先月できた「TOGISO」だ。
そんな不便なところだけど、京都から珈琲のお勉強にきはるおんながひとり、またうれしからずや。
昨日から「和っち珈琲」を使って、水出し珈琲をつくっている。焙煎はもちろんUFO。京都のカフェで
使ったら、うけると思うワ。千利休もびっくり。「和敬清寂」、人間関係の調和の難しさを、あの時代から
知っていた達人やな。さすがや!感謝。