先月、「所さんお届けもの」に、ださせてもろうた。
しばらく開店前から行列ができ、早朝からばんばん打ったそばが、一時間くらいで、
「政治家状態(ゆーだけ)」になった。
だいぶ落ち着いてきて、昨日は番組で所さんが食べた「花巻」とか、「能登牛すじそば」
の注文よりも、いつものこの季節に人気の「梅おろしそば」が、たくさんでるようになった。
番組の中で食べてもらうため、収録日にスタジオに、そば道具を持ち込んだ。
その建物の中に、厨房があって、ほかの日に収録される食べ物を提供するお店の人たちが、
中華鍋とか、ガスボンベやいろんな食材を用意していた。ぼくは、修行中は、キャンプ場でカセットコンロで
川の水を汲んで沸かしてそばをだす、みたいな、優柔不断というか融通無碍というか、いきあたりばったりで
そばをだしてきたので、そこの厨房にある道具でそばを茹でるつもりだった。でも宇都宮の「からあげや?」さん
が、親切に「プロパン使ってください」というので、お言葉にあまえて、使わせてもろうた。ありがとうございました。
スタジオは、御所の近くにある(TBSは赤坂だけど・・)。
ぼくたちは、控室に通され、そこにはお茶とか珈琲などのペットボトルが置いてあって、「ご自由に」
とのこと。昼ごはんも、各種お弁当が用意されていた。まさに、いたせりつくせり。
すぐとなりに御所、いや大御所の所さんの控室。大御所とは程遠く、威張ってもなく、ドアは開けっ放しで、
眼があったので、一礼すると、向こうも「こんちわ」なんていう感じで、自然体、あのまんまなのである。
そのうち、アカペラで、なんやらへんてこな歌を歌ったりしている。スタッフに聞くと、「いつもそう。
よくギター爪弾きながら歌ったいる」とのこと。おもねり、とか、変な演出がない。
あまりテレビを見ないのだけど、こないだ横須賀から門司までをフェリーで往復した時、客室のテレビを
なにげにつけていたら、「所さんの番組」というのがけっこうあるのにびっくりした。
まさに、禅語の「一所不住」・・・所さん一か所に安住することなく、いろんな場所を逍遥している・・のだ。悟りの人?
今朝の朝日新聞に、社会学者の林省一さんのコラム「所ジョージという存在」がのっていた。
「(前略)・・・これほど大御所感のない大御所も珍しい。「軽妙酒脱」(けいみょうしゅだつ)という表現がぴったりで、
その場が自然に明るくなる独特の芸風は他の追随を許さない・・・・・
所ジョージは、「未来の自分」などまったく考えず、毎日の夕飯をいつもピークに考えているという。
人は将来の目標を持ち、それに向かって努力することこそ大事と思ってしまいがちだ。しかし所ジョージは、
日々繰り返される夕飯の時間こそ人生の無上の喜びだと言い切る・・・・・」
そんな内容のコラムだった。
夕飯の話がいい。「今ここ」を大切にしてるんやね。
よくボクシングを観にいく。「日本チャンピオン」を目標にする人は、
そこまでいけない人が多い。日本を世界にかえても、同じ。
どちらも「通過点」くらいにしか考えず、もっと身近な毎日の繰り返しの日常に「喜び」や「生きがい」
を感じられる人が、到達する世界。毎日あきずに、努力をする、のは才能。
よくお店にきて、「将来お店を持つのが夢なんです」という人がいる。「明日からでも誰でもできるよ」
と答える。お店を持つ、より、続けていくことのほうが大事。お店を会社や家庭にしても同じ、じゃない?
今日は12時から16時。それから「そば打ち教室」と「UFO焙煎塾」
今日の「そばもん」は、年末にいつも「年越しそば」を取りに、茨木の古河というところから、
電車にもバスにも乗らず、走ってくるアスリート。先月もどこかの「ウルトラマラソン(100K)」を完走。
先月から、ぼくのそばの弟子になった。行雲流水のような飄々としたナイスガイな男である。
彼がお店をもったりすると、女性客でごった返しそうだ。少し褒めすぎ?
イケメンやべっぴんさんがやるから流行る・・・・そんなに今の飲食店の経営は簡単ではない!ほんなこて!