今回の能登は、三泊四日だった。
あっという間に、東京に着いた。熱帯夜みたいだったけど、車から荷物を
運び込んだら、ザーと雨が降り始めた。
途中の軽井沢あたりも昼間の気温が30度くらいあった。避暑地って、どこかあるのかしらん?
大きなトレンドでいうと、地球は氷河期に向かっているようだけど、しばらくは温暖化による災害が多いらしい。
帰る前日、富来の「橋本食堂」へ夕飯を食べに行った。
てるみちゃんが、50年もひとりでやっている奇跡の食堂。お店を作るのは簡単だけど、続けるのが難しい、を痛感するお店。
冬のおでんがとくに美味い。出汁がちゃうねん、ぱーねんでん(古い?ひょうきん族時代)一年を通して、「てんぷら」「ぶたの生姜焼き」「とんかつ」なども人気。とくに「てんぷら」は、江戸の名店を若いころからけっこう食べあるいたけど、「魚」や「野菜」
たちのレベルが違うので、くらべものにならない。しかも安い(定食にして1200円ほど ぼくは酒を飲むので、ごはんは食べない)
今回所さんのテレビに紹介されて「能登の牛筋そば」「花巻(能登の岩ノリ)」が、大人気になってきたけど、橋本食堂で
酒のつまみにいつもいただく「牛すじの煮込み」を食べた時、えええええ~とその美味さに驚嘆して、それまでの「牛筋の煮込み」
と、まったく違う作り方(出汁が、醤油よりも塩、おすましに近い)にして、「能登の牛筋そば」が誕生した。「花巻」も、橋本食堂の近くの海から、能登の家のある前浜地区までの「岩ノリ」「わかめ」「黒藻」などが、「能登で一番おいしい」とてるみちゃんが太鼓判をおしてくれたので、メニューにしたものだ。日本料理が絶滅危惧種になりつつあるけど、この「出汁」は、滅ぼしたらアカンね。
もうすぐ傘寿(80)が近いてるみちゃん。夏の厚い厨房の中で、てんぷらを揚げるのは、過酷なことやし、この技を継承してくれる
人を見つけるのは至難の業やけど、だれか「わたし弟子になります」と、声をかけてくれないかな?と思う今日このごろ。
来月は、東京から若い女子たちが、あまたやってくるので、さりげなく「どうや?やらへん?」と聞いてみよう。
天真庵をはじめる前、吉兆で修行中だった長屋くんに、「そば豆腐」「出汁のひきかた」「卵焼きの焼き方」「天ぷら」
「魚のさばきかた」を習った。「すっぽん」も習った(笑)ながや君は、その後彼は、パリの「YEN」(そばの師匠・高橋名人が監修)の料理長をやった後、早川で「ながや」をつくった。縁あって、長屋くんも高橋さんに蕎麦を習った。
どれもすごく役にたっている。「てんぷら」だけは、珈琲をメインにしたいので、油が飛ぶのがいやなんと、片づけが
面倒なので、メニューに入れていない。「すっぽん」もまだ一度しかやっていない。(でもこれは、いつでもOK牧場)
「ながや」にいって彼の「天ぷら」を食べるたびに、「美味い」とおらぼーごたある。最近、予約が取れにくい店になったらしい。
天真庵の姉妹店のつもりでいるけど、世間は、あちらのほうが姉さん店だと思っている(笑)うちは妹どす!
今日は、仕込みがやまのようにあるので、朝早くから汗だくで仕事をしている。
夜は「かき揚げそば」を食べようか?そんな気分。
明日明後日は「12時から16時」まで営業。それから「そば打ち道場」「UFO焙煎塾」
珪藻土焙煎機UFOは、60gの生豆を焙煎できるように、考案された珪藻土の焙煎機。
試作品は、もうすこし大きくて、100g用で何個かつくってもろうた。
その試作品をつかって、100gの生豆を少し深めに焙煎し(モカがいい)、サイフォン用くらいの
細かいメッシュで挽いて(メモリー3とか)、700ccの水(うちは、能登の霊水を使って水出し珈琲
をつくると、めちゃくちゃおいしい「アイス珈琲」ができる。夏は毎朝、二回しこむ!
久保さんが「また大きめのUFOつくろうか?」といってくれたんだけど、久保さんもめちゃくちゃ忙しく、こちらもめちゃくちゃ忙しいので、
ほったらかしになっている。今年は間に合いそうにないけど、来年は「プロ用」にもなる100gの
大型UFOもつくってもらいたい。そんなこと思うと、いつもピンクレディーの往年の「振付」が瞼に浮かぶ。感謝(ユーホー)
感謝とは、祈りである・・・・最近そんな悟りがあった。