雨が空から降ると・・・角煮が食べたくなる?

昔、台所の中心に竈(かまど)があった。
今回の珠洲の地震で、珪藻土七輪の「丸和工業」さんの工場と窯が
甚大な被害を受けた。ちょうど5年くらい前に、丸和さんの工場の隅っこに
古色蒼然とした「珪藻土の竈」を見つけた。時代に置いていかれたように、
ポツンと寂しそうだったので、5個あったのを全部買っておいた。

そんな時代おくれの竈が、月曜日に大活躍。
炭火で、珪藻土の竈の上に、羽釜をおいて炊くごはんの美味さは、筆舌を超えた味だ。
おこげは、またなによりの御馳走だ。茶人たちが茶事で、それをふるまっていた歴史の滋味がする。
電子レンジや、電気釜は確かに便利だけどね・・?

今日は朝から雨。雨の日はまたいい。
宋の詩人・蘇軾(そしょく)が、政治的に流罪先で、粗食に耐えながら?
「晴れて好く雨も奇なり」という詩をよんだ。飄々として自然体な詩をたくさん残した。
彼がつくったもので、今でも中華料理としても、長崎にきて卓袱料理として、ラーメンや
で角煮になって今でも残っている料理がある。
東坡肉(トンポーロ)  蘇軾の号が、蘇東坡。彼がつくったので東坡肉。
雨の日は、トンポーロが食べたくなる。アジア人は、お客さんが来ると、豚を一匹つぶして、歓待した。

昔から茶事は基本的に、肉をださない。
煎茶の世界も普茶料理という精進料理をだすのが基本だけど、蘇軾の「赤壁の賦」などに憧れる茶人たちは、
料理のひとつに、東坡肉を入れたりすることがある。いいじゃない。
原理原則にこだわりすぎると、窮屈になる。茶の席に「肉」があってもOK牧場のような気もする。
みんなが、そのあたりの文化圏までさかのぼって、言葉が違っても「茶」を楽しむようになれば、
戦争になったりするリスクが9割かたなくなるのではなかろうか。感謝。

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