押上は、素敵なサンバで一踊り!

先日、手押し車を押しながら、3人のおばあちゃんが、そばを手繰りにこられた。
お店に入るなり、「ここはスシ食べれましたよね?」と・・

「スシ、じゃなく、ソバの店です」といったら、「すいません、今日は寿司が食べたいので、またきます」
といって、十間橋通りを歩いていった。残念ながら、この界隈には、あまたの寿司屋があったけど、回転すし
がハバをきかせるせるようになって、まわらない寿司屋は姿を消した。全国津々浦々、どこの街もそうなように。

20分くらいしたら、おばあちゃんたちががもどってきて、「ああ、疲れた。このへんには寿司屋がないのね」といって、
一番奥の4人掛けテーブルに座った。メニューを見ながらも、あきらめきれずに「やっぱりスシはないのね?」だって(笑)
しぶしぶ、そばを手繰りながらの女子会。毒蝮だったら、さながら「ばばあのそば会」。

「すしや」も「そばや」も絶滅危惧種になりつつある。
でも最近、古い長屋やアパートや長屋を改装して、「カフェ」が、雨後の筍のように、どんどんできている。
すぐ近くに住んでいたジャズドラマーの「セシル・モンロー」
が、「ここは、ブルックルリンみたいな街になる」と、よくクロキリのオンンザロックを飲みながら、口癖のようにいっていた。
押上がそんな雰囲気を醸しはじめた。セシルが、千葉の海で亡くなってから12年になる。大石学トリオのドラマーやった。

そんな流れで、乱立ぎみの押上に、異色のカフェができた。
築60年の古いアパートを改装して、一階が手作りパンと、二階がカフェスペース。
場所は、押上文庫の近くの路地裏。その近くにいくと、電信柱に案内版が貼られている。
なんと齢(よわい)80過ぎのおばあちゃん3人で運営している。看板娘3人のおばあちゃんで「さんば」。
正確には、「もちよりぱん SAMBA(サンバ)」という。
「てんとう虫のサンバ」をを初めて聴いた時のような新鮮さに笑った。♪赤・青・黄色の・・・
サンバも、昔ながらの日本のお惣菜をこらした色とりどりのパンが踊っている。ごぼうパンもあるぜよ。

天真庵のカウンターの上には、おかまのMくんがくれた木彫りの猿が飾ってある。
三番叟(さんばそう)、といって、昔から歌舞伎や能などの演目にもなっている、五穀豊穣を祝う翁。
うらぶれた街だけど、サンバのリズムにのって、「気がつけば、時代の先端」みたいな街になる日も、近い?かもなんばん。

でも、まちがっても3人のじじいが組んで「さんじ」なんていうカフェを始めないことを願う。
「大惨事」になりそうな予感がするので・・・

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