さざえさん わかめさん

昨日は、近所のばあちゃんから、わかめとさざえが届いた。
夕餉の支度をしていたら、べつのばあちゃんが、赤ナマコと黒藻を
もってきてくれた。手前味噌とぶつぶつ交換。

タコのジェノベージェソースでパスタを作る予定だったけど、急遽
「しゃぶしゃぶ」になった。
といっても、都会のように、肉を入れたりしないのが能登流。
囲炉裏の五徳に土鍋をおいてお湯を鍋にわかし、沸いたら、いしる(魚醤)を入れ、わかめとか黒藻だけをしゃぶしゃぶする。
春の磯の香につつまれ、まことに幸せ気分のしゃぶしゃぶ。
残ったお湯に、タコの刺身をしゃぶしゃぶ。火を通すとタコの味が一オクターブあがる。

最初のころおばあちゃんたちに「なんもいれんとってよ。わかめ(とか黒藻)だけで食べてね」
といわれた意味がよくわかる。

赤ナマコは、端っこに包丁を入れ、贓物は捨て、
包丁で薄くきって、大根おろしと醤油で食べる。
炭火で、昨日のあまりの「てまり」(能登てまり、という椎茸)を焼き、さざえも焼く。
ご近所さんからの到来ものだけで、贅沢な夕餉だ。

今朝も6時を知らせる「まちぼうけ」(街の防災用スピーカの目覚まし)で起きて、たこやんを
もって海に・・・・
女性たちは、岩場の際でワカメや黒藻をとっている。男たちは伝馬船にのっていざ出陣と沖にでていく。
いつものおだやかな春の能登の風物詩だ。コンビニはないけど、目の前に大きな生け簀があって、忖度すれば
朝飯前の献立ができあがる。感謝。

春の海 ひねもす のたりのたりかな(蕪村)

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