愛リッシュ珈琲 マタ酎 珈琲韻 ヌカ酎

昭和のころ、喫茶店のメニューに「アイリッシュ珈琲」というのが流行った。
珈琲にウィスキーを入れて飲む。どのお店も、ロイヤルコペンハーゲンとかウェッジウッドの
派手目の珈琲カップで供していたように思う。京都の「からふねや」にも、あった。
大学一年の時、本店を任されていた。ときどき、カウンターの下に保管していたアイリッシュウィスキーを
盗みのみした。あまり上等なもんじゃなかったけど、珈琲とよくあって人気があった。

昨日、ときどきバイクにのってくる齢(よわい)75歳のバーチャン(元気が冠につく)が蕎麦を
手繰りにきた。「ケアマネージャー」をやっている。挨拶がわりに「85歳まで現役でこの仕事をする」
を信条にしている。「インスタでフォローしている人が、UFOで焙煎している写真を投稿してた」
とのこと。「いくらするの?」と聞くので「一億です」と答えたら、「宇宙的な金額はそうなるわね。いただくわ」
とのたまう。先週もそんな会話があった。たぶん、インスタの相手はきっと彼女だ。

「圧倒的に女性がUFOを買っておりまする」というと、「男は会社に飼われ、女房に飼われている人がほとんどでしょ。
引退して少しお金に余裕ができたころは、成人病だ高血圧の薬だ、なんだでお医者さんに生かさず殺されずで飼われて、
あちらにいくだけの動物だから・・・」と、迷いもなる理路整然と言い放ち、能登牛すじそばをズズズと手繰っていた。
「それと、男は現役中は、接待でしかいいもの食べないじゃない。あれ、厳密にいうと、タダ食いよね。
舌がそだたない。一般的なサラリーマンは、吉野家とか、飲んでもセンベロのお店。それに比べて、女はしっかりしているから、
けっこういいものを食べたり、飲んだりしてるのよ。」と笑う。

傍らで「菌活」をしている手前味噌女子が不思議そうな顔で、こちらを見ていた。
味噌つくりが終わり、カウンターに座り、「カフェイン(珈琲韻)って、飲んでみたい」というので、天真庵名物の「珈琲焼酎」を
だした。「おいしい」と絶賛してくれた。彼女は徒歩5分のところに住んでいる。ときどき家の前を通ると、珈琲を焙煎する香りが
する。「あ、モカを焼いている」とすぐにわかる。(プロだからわかるのではない。最初にUFOを買っていく人の9割が
モカを買っていく。ただそれだけ(笑))
「家でも簡単にできるよ」といって、作り方を伝授。「そこのアコレで、キンミヤを買う。500円。UFOでモカを
60グラム焙煎する。50gの珈琲豆ができるでしょ。半分はミルで粉にして珈琲を淹れる。残りの25gを
キンミヤに、豆のままいれる。一か月くらい待つ。あとはじゅんぐりに同じことをする。古いのに新しいのをまぜる。うなぎやのたれみたく・・」
「え、そんなに簡単なの?」というので、「ホンモノはみなシンプル」と答える。
夕方に「キンミヤをアコレで買って、つけました」とメールがきた。

*焙煎の仕方や、アルコール度数によって違うけど、いいモカ(甘めのある焼酎だったら、マンデリンとかでもいい)
を少し深めに焙煎して、100ccの焼酎に対して10g前後いれる、が黄金比だろう。天真庵でも35度の焼酎に
モカイルガチェフかモカマタリを少し深めに焙煎してつくっています。

「珈琲韻」を「マタ酎」に変更する予定の話はしなかった。少しエッチな内容になるけん・・
彼女はパン作りの名人で、昨日は自作のパンを土産にもろうた。「マタ酎」によくあう。
先日違う女子にもらったスコーンにもよくあった。スコーンは英国のものだから、
さながら「愛リッシュ珈琲やな」とか思った。スコーンと愛リッシュ珈琲。ギャレットに珈琲韻。融通無碍だ。
夕方、精米機を貸したゆみちゃんが、そのお礼にと精米してできた「米ぬか」をつかって、クッキーを
焼いてもってきてくれた。彼女も自宅でUFO焙煎をしている。こめぬか・カカオパウダー・きび糖・アガベシロップ・
塩・アーモンドミルク・なたね油・・と手書きのメモつき。
よる年波で「ぬかずの〇発」とかいう世界からは遠ざかったけど、「ぬか酎」というのもあるかな?というくらい、
珈琲焼酎とよくあう。

今年は日本でモルトワイスキーが始まって100年になるらしい。サントリーが始めた。
若いころは「ダルマ」(サントリーオールド)が高嶺の花で、「レッド」などを飲んでいた。タバコはショートホープ。
お金のない時は「しけもく」。お酒は伏見の「名誉冠」
お金があったり、なかったり・・・そのときどきで、工夫しながら「今ここ」を楽しむのが幸せのコツ。
「能登珪藻土焙煎機UFO」も「幸せ発見器」に改名しようか?なんて思う今日このごろ。感謝。

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