コロナと年越しそば

今年も残りわずかになってきた。
通常営業は今日までであとは、「年越しそば」と「自分で年越しそばを打つ」
だけになる。今年も去年と同じくらいの数だ。
でも、お客さんから「帰省してくる娘(とか、孫)がコロナにかかったので、数を減らして・・」
みたいな電話やメールが毎日入ってくる。これまでほど、神経質な話ではないけど、その分コロナが
また身近に迫っているような気もする。

毎年暮れに「自分で蕎麦を打つ」に参加される看護婦からも電話。
「またコロナが流行ってきて、辞める看護婦仲間も多く、現場(病院)が逼迫してきたので、今年は蕎麦おくってください」
とのこと。どうやら、このへんが現実らしい。先日蕎麦を手繰りにきた若い看護婦さんも「忙しくで、5K減った」
と苦笑い。ほんとうなら、ダイエットがうまくいって、ニコニコ顔の話題ではあるけど・・

今年は、戦争になったり、安倍さんが暗殺されたり、円安や相変わらずの異常気象で、魚や野菜などの収穫も
ままならぬ状況かわりなく、そこにきて物価高騰で、「日常茶飯」に陰りが見えた一年。
昨日は「暮らしの実験室 やさと農場」から、卵とキムチを持ってきてくれた青年と酒を酌み交わしながら
談論風発。よく「新そば祭り」で蕎麦打ち指南にいったとこ。
彼は品川のIT企業に勤めながら、週末に「暮らし・・・」にいって、田舎暮らしの勉強をしている。
「東京は、めちゃくちゃ土地バブルで、友人やまわりの子たちが、お金とか土地の話をしきりにします。やさと(暮らしの実験室)
にいって、畑を耕し、雑草をとったりしていると、『土地よりも土のほうが大事だな』と痛感します」とのこと。

大森に住む彼に、かつてその町にあった古本屋の主人の本を紹介した。
山王書房の店主 関口良雄が残した極上の一冊「昔日の客」。まだ東京にも「土」があって、
文人墨客が生きていた時代のエッセー。

大半の人は「土よりも土地」のほうが大事だと思っている。そこが「今」の大きな問題点であると、わかるのは、
いつもバブルがはじめた後の話だし、その時は、多くの日本人も「喰いつめ」の状態にあるかもしれない。
来年は都会の人も、プランターで野菜を育てたり、週末には畑を借りて、百姓の見習いをするような年になるかもなんばん。
田舎暮らしにシフトする人も多くなるだろう。「自分らしく生きる」ためには、「土」が大切。みんな出直しのうさぎ年。