九州には、砂糖街道というのがある。
長崎の出島でしか交易ができなかった鎖国時代、長崎、佐賀、小倉へいく
砂糖の道。そこから京都や江戸まで続いた。したがって、長崎から遠ざかるほど、
砂糖の値段があがった。長崎のカステラは、ポルトガルから伝承されたものだが、
そのころは、北九州に、いろいろなお菓子屋さんができた。
今は「東京もんじぇ~」みたいなツヤな(ハイカラな・・という九州弁)顔しているけど、
虎屋も、ひよこのおかし、チドリアン・・みんな九州で産まれたものだ。
だから当然、庶民には高値、いや高嶺の花だったので、発芽した麦を発酵させ、炊いたお米
にあわせ適度な糖度と粘りになるまで窯の中でていねいに煮詰めながら、「麦芽糖」を
つくっていた。能登には有名な「米あめ」がある。今は、科学的にいろんな砂糖もどきがつくられていて、発がん物質がどう、成人病がどう、
などとかしましいが、みんな慣れっこになって使ったり、使った商品を食べたりしている。
天真庵の卵かけごはんには、お米に少し「もち麦」をいれている。押上にくる前から、四国の農家さん
にお願いしているものだ。はだか麦茶、黒豆も、そこにお願いをしている。
今回、2年がかりで、4種類の「麦芽糖」が完成した。
どれも特徴的で、捨てがたい。「えーちゃんのチーズケーキ」に入れて、実験してみた。
赤米、緑米、黒米、白米・・・
「きめなくてもいいか」、とホボブラジルみたいにファジーな気持ちでいる。
お客さんが食べるときに、古伊万里のピッチャーに、どれか(選んでもらうのはめんどうなので、その日によって一種こちらで
きめる)で、別につけよう・・・そんなことを思っている。
これまでとは「べつもの」になったので、これまで供していた久保さんの「黄瀬戸の皿」を、新作の「志野」
にかえようと思う。値段もこれまでの400円から500円にあげさせてもらいます(11月から)
痛風や糖尿病や成人病の人も、もちろん健康なひとも食べにきてください。感謝。