ヨガと珈琲

昨日の夜は、「ゆるゆるヨガ」やった。ヨガとそばと珈琲で2200円。
二階で、女子たちがヨガってる間、下の厨房で、片づけとそばと珈琲の準備をする。
この日は、まかないで「能登牛の牛筋カレー」をこっそり食べる。
その匂いが、二階まで到達するらしく、「腹へった」とか「カレーおいしそう」
みたいなつぶやきが聞こえてくる。

昨日は、UFOで焙煎をしてみた。3種類の豆を焙煎し、その残り香がいっぱいの中、
こそっとカレーを食べたら、ばれなかった(笑)
昔から京都の料理屋なんかでは、煎り番茶を料理の途中にだす。そうすると、
舌がリセットされ、お客さんの舌がさえる。ゆえに、「腕に自信のある料理屋」がそう
するようになった。またお香をつくる職人たちは、鼻をリセットするために、珈琲を飲む、
というのをきいたことがある。理にかなっていると思う。

昨日は天気もよかったのが幸いしてか、珪藻土焙煎器UFOが、3つ飛んでいった。

今日は、珪藻土の竈でごはんを炊いて、卵かけごはん。

これが、UFOのトリセツだ!

昨日、「珪藻土焙煎器UFO」の部屋が、天真庵のHPにアップされた。
これで、ネットで購買した人や、遠方から注文があった場合には、トリセツがわりになる。
「女房のトリセツ」や「旦那のトリセツ」より簡単で簡素。「ホンモノは、みな簡素」だ。
一つ目小僧みたく、豆が一個顔にあるUFOだ。
「え、ふたつのハズだが・・・・?」と不思議に思っていたら、な~に、
今月のはじめに能登の家の玄関で撮影したやつだ。能登では、一つ目小僧のUFOで
焙煎していた。でも、この焙煎器は、能登の民泊施設に嫁いだ。
久保さんも忙しくしているけど、来月は、UFOをもって九州を徘徊しながら巡業をするので、
「忙しいとこすいませんばってん、よろしくお願いします」と、またUFOを追加発注した。

昨日は天気もよく、お客さんがいっぱいこられ、そばも売り切れになった。
てっちゃんが、二日酔いそばを売った後、近くの燕京亭にいって、ギョウザとビールで始まり、
五目そばと紹興酒で〆た。てっちゃんは、前日に紹興酒を飲み過ぎたらしい。
若いころは、勢いで「一升飲んだ」とか「ワインを一本あけた」とか、学生のみが盛んだけど、
中仕切りの40代あたりから、下り坂になってくる。でも時々、学生時代に飲んだ「勢い」が蘇って
つい飲みすぎることもある。

燕京亭には、テレビの取材にこられた肉体派俳優の高橋克典さんの写真が飾ってある。かつて、
目白にあったヨネクラボクシングジムで、いっしょにボクシングをした仲間だ。
しばらく、ボクシングで鍛えた体を売りにしていたが、最近は円熟した役で人間味あふれる役者になった。

今日も16時まで営業。それから「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」・・二階では「ゆるゆるヨガ」(月一回)

土曜・日曜日は16時まで。それから「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」

先週の週末・・・閉店近く(もっとも、16時に閉店するのが早過ぎる)に、遠くから
わざわざお客さんがこられ、カウンターがにぎやかだった。
浅草や錦糸町や銀座なども、たくさんひとがでてるみたい。
あいかわらず、ここ、十間橋通りは、うらぶれていて、さながら「限界集落」だ。
でも、じいちゃん、ばあちゃんたちが元気で、笑い声がきこえ、反対に若者を
サポートできるような人が増えても、おもしろいのではないかしらん。
そんなことを思いながら、今朝も朝まずめ(朝日がでる間際 釣りの絶好のタイミング)に、
天風式スクワットを50回、腕立て50回をして、そば打ち、焙煎・・・散歩。

昨日の3時過ぎ、UFOで焙煎をしていたら、若いカップルが
入ってきた。ちょうど、開始して3分・・・イチハゼまじかだったので、水もださず、にわか焙煎教室。
ニハゼのタイミングなどを教え、チャフを飛ばし、「UFOの相棒」で、できあがった珈琲豆を
粗びきに挽いてもらった。今流行りの「参加型カフェ」。
それを、使って珈琲をいれようとしたら、「おそばありますか?」といわれた。
「そうだ、うちは、そばやか」と思い直し、注文の「梅おろしそば」と「能登牛筋そば」をつくってだした。
蕎麦湯をだした後、参加してもらった珈琲豆で、「ほぼぶらじる」をだして、談論風発。

その若いカップルは西荻でお洒落な「カフェ」をやっておられる。(3度目くらいの来店らしいけど、はじめて聞いた)。
そのうち「自家焙煎を」というのを考えているところらしく、珈琲談義がはずんだ。
最近の珈琲の雑誌などを読んでいると、大きな焙煎機を、ドンとお店において、私はロースターよろしく、
「珈琲屋」を営んでいるようなスタイルが流行してるようだ。「みんな同じスタイルで気持ち悪い」
と、すみだ珈琲のカウンターで、廣田社長と話をしていたら・・・「うちもそうでした」と笑った。
今は、一階にあった焙煎機を二階にあげた(笑)

そんなお洒落なカフェが全盛の時代に、前世の珈琲やみたいなスタイルで、炭火でガラガラ焙煎したり、UFOで
60gを焙煎したりしながら、毎日を過ごしている。

来月はじめは、能登と、九州で出張型の「焙煎塾」の予約が入った。
リュックに(正確には、車に積んでいくけど)、「UFO」と「UFOの相棒」と、生豆を入れて
いけば、@「いつでも、どこでも、だれでも焙煎」状況になった。
長崎や熊本では何度も地元の「水」をつかって、そば打ちをやってきたけど、今回はその水で
珈琲を淹れるのが楽しみだ。
「全国を徘徊しながら、UFO焙煎を伝授している老スター。」老後はそうしよう。
いやまて、もう老後か?

今日明日は16時まで営業。その後は「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」

UFOの相棒が飛んできた。未来の珈琲グッズ。

水曜日、「UFOを使って、焙煎がしたい」というそばのお弟子さまが、わざわざ巣鴨から
「UFO焙煎教室」にきた。午前中に、歯医者の予約が入っていたのを午後に変更してもらい、
マンツーマンで、じっくり教えた。
60gの生豆が5分で爆ぜる、というすぐれたものが、偶然能登の地震の翌日に「ちゃねって」、
久保さんに地震被害の現場の珪藻土をおくって、つくってもらったものだ。
「クラウドファンディングの返礼がわりにでもなれば、いいや~」と、気楽に考えていたけど、
けっこう、嫁ぎはじめた。能登でも「UFO教室」が始まり、今月さっそくふたりの若い女子が
習いにきた。(せっかく能登にくるなら、タコ釣りや、野良仕事のほうがおもしろいのに・・と思うばってん)

ちょうど、ニハゼ(業界用語・・・4分くらいに、ポップコーンみたいに、ポンという音がして爆(は)ぜる(イチハゼ)、
その後2分くらいすると、またピチピチと連続音で爆ぜる(ニハゼ))
の時に、クロネコちゃんがやってきた。陶芸家の久保さんからだ。
中に、すり鉢とすり棒が入っていた。今どきの若い陶芸家は、一般に流通されている「土」と「釉薬」
をつかって作陶するひとが多い。久保さんは、土を掘り、石をすり鉢(乳鉢)とすり棒(乳棒)で砕いてつくる。
いわゆる桃山時代から連綿と続くやり方で、「器」をつくっている。そのふたつの「乳」を、珪藻土を
まぜた土でつくったら、珈琲のミルとして、ベツモンになった。

さっそく、焼きあがった珈琲豆の60g(できあがりは50gになる)の半分の25gを、ガリガリやってみた。
わずか5分で、粗びきになる。それをハンドドリップ。
ここから先は、筆舌を超えた世界やった。先日の女性の「いままで飲んだ珈琲はなんだった?」という感じだ。

昨日は、錦糸町を徘徊していたら、オリナスのとこで、すみだ珈琲の店主とチャリンコですれ違った。
「こないだお店にいったら、能登休みでした」と笑っている。「UFOの弟子になりたい?」
と問うと、手を振って、わははははは・・と笑い、「珈琲を飲みにですよ」という。
「ちょうどよかった。こんどきたら『UFOの相棒で珈琲淹れるわ』」というと、
「・・UFOの相棒?いろいろ次から次へ、いろんなものができますね」と呆れた顔をしていた。
本店と、パルコの中にお店を持つ、トレンディーな珈琲屋さんだ。ときどき、お店の前を
通ると中から手を振ってくれたり、通りの向こうから「元気ですか~」とか声をかえたりしてくれるので、
「ポン引きにあった通行人」みたいな顔して、お店に入って珈琲を飲んだりする。
縄文ドリポットも、でてすぐに買ってくれたので、「UFO」と「UFOの相棒」も、近々買って
くれるかもなんばん。すると、またお店ができて「すみだ・・」以外にもお店が広がりそう。感謝。

卵かけごはんと珈琲

月曜の朝は卵かけごはん。
コロナで、「寺子屋」という夜の勉強会をすべてヤメにした。
ので、「米」の消費が激変した。反対に、能登の神子原村(みこはらむら)や、九州に移住して
米をつくる農家さんらに知り合いが増え、米を買う量が増えた。
加えて、今年は自分たちがつくった米が豊作だ。だから月曜日は張り切って、米を炊く。

昨日はちょっと肌寒かったので、火加減を
見ながら、竈に手をかざし、♪北の国では・・もーうお~ なんて鼻歌をうたっていた。
6合炊きの羽釜が、10分もすると、おいしい香りの湯気をだし、15分過ぎには、お焦げの
匂いがした。10分ほど蒸らすと、♪エリーイモ(襟裳)の春は・・・何もない春です!
よろしく、ホカホカの銀シャリができあがる。♪なにがなくても、これだけで幸せな春です~!(字あまり)

残った炭火は、いつもは、普通の七輪に移し、ガラガラさせながら手回し焙煎器で焙煎する。
昨日は、気温が寒くなったので、火鉢2つにわけ、それぞれに薬缶をのせ、店内の気温をあげた。
残った炭は、こないだクラウドファンディングで能登の丸和工業さんに寸志をおくったお礼に
もらった「小さな七輪」に入れ、珪藻土焙煎器UFOで60gのモカを焙煎。(高級旅館の朝食で、
よくこんな小さな七輪をもって、海苔を焼いてくれたでしょ・・・夕餉よりよっぽど美味しいのが、
ごはん・味噌汁・漬物・海苔。)
5分で爆ぜ、♪昔アラブの王様が・・好んだ珈琲ができあがる。
ちょうど、卵かけごはんにきた常連さまが、それを見て、「やっぱり、UFO買おうかな・・」
とつぶやく。「迷うな青年。よいと思ったらすぐに行動せよ」とこころでつぶやきながら、
「あわてることなかよ。ボーナスでもでもでたら、きめんしゃい」と、裏腹なことをのたまう(笑)

丸和工業さんは、今年の6月の地震で窯が全壊した。ので、クラウドファンディングで応援せいてくれる人を
募集中。「われは」という人は、下のURLをコピーして、覗いてやってください。
https://camp-fire.jp/projects/view/610383

昨日は、そんな昔の高級旅館の演出みたく、小さな七輪をカウンターの上において、そこに銅の
ミルクパン(ぼくの珈琲ポット)を置いて、炭火で沸かした能登の霊水で、珈琲を淹れた。
ごはん、焼きのり、珈琲の湯・・・・やはり、炭火をつかってやると「能登はやさしや土までも」
だ。

ごはんは、冷えてもおいしいし、冷凍してしばらくたって温めても、「あ、これ羽釜で炊いたごはんだ」と
わかる。そんな小さな「ちがい」を発見するのが、なんとなく幸せな気分になる。

午後、ざるそばを食べにきたお客さんが、その七輪の前に座った。外で庭仕事をした後らしく、あったかいおしぼり
をにぎった瞬間に「あ~うれしい。このあたたかさ」といい、小さな七輪に手をかざした。
江戸っこよろしく、ズズズと蕎麦を手繰り、蕎麦湯を飲み、〆の「ホボブラジル」。
珈琲点前(てまえ)みたいに、目の前の石臼でガリガリと珈琲豆を挽き、炭火の上の銅鍋で沸かした湯で
珈琲を淹れてだした。
「これまで飲んできた珈琲はなんだったんだろう、の味ですね」と、ほめ殺された。

このフレーズがいいので、HPを担当するくまもんにメールをおくった。近々、「UFO」
のページができる予定だ。ゆっくりゆっくり、優美に広がっていく感じがいい。
(と、いいながら、はやくHPがアップされへんかな)と裏腹の気持ちで過ごしている。
とかく、経営者というものは、乱中毒、というか、京都弁でいうところの「いらち」なところがある。
最近、時代がぐるぐる大変化しているので、そういった傾向がますます強くなってきている気がする。

能登の米あめ、愛媛の姫甘露・・・これからの甘味料!

九州には、砂糖街道というのがある。
長崎の出島でしか交易ができなかった鎖国時代、長崎、佐賀、小倉へいく
砂糖の道。そこから京都や江戸まで続いた。したがって、長崎から遠ざかるほど、
砂糖の値段があがった。長崎のカステラは、ポルトガルから伝承されたものだが、
そのころは、北九州に、いろいろなお菓子屋さんができた。
今は「東京もんじぇ~」みたいなツヤな(ハイカラな・・という九州弁)顔しているけど、
虎屋も、ひよこのおかし、チドリアン・・みんな九州で産まれたものだ。

だから当然、庶民には高値、いや高嶺の花だったので、発芽した麦を発酵させ、炊いたお米
にあわせ適度な糖度と粘りになるまで窯の中でていねいに煮詰めながら、「麦芽糖」を
つくっていた。能登には有名な「米あめ」がある。今は、科学的にいろんな砂糖もどきがつくられていて、発がん物質がどう、成人病がどう、
などとかしましいが、みんな慣れっこになって使ったり、使った商品を食べたりしている。

天真庵の卵かけごはんには、お米に少し「もち麦」をいれている。押上にくる前から、四国の農家さん
にお願いしているものだ。はだか麦茶、黒豆も、そこにお願いをしている。
今回、2年がかりで、4種類の「麦芽糖」が完成した。
どれも特徴的で、捨てがたい。「えーちゃんのチーズケーキ」に入れて、実験してみた。
赤米、緑米、黒米、白米・・・
「きめなくてもいいか」、とホボブラジルみたいにファジーな気持ちでいる。
お客さんが食べるときに、古伊万里のピッチャーに、どれか(選んでもらうのはめんどうなので、その日によって一種こちらで
きめる)で、別につけよう・・・そんなことを思っている。
これまでとは「べつもの」になったので、これまで供していた久保さんの「黄瀬戸の皿」を、新作の「志野」
にかえようと思う。値段もこれまでの400円から500円にあげさせてもらいます(11月から)

痛風や糖尿病や成人病の人も、もちろん健康なひとも食べにきてください。感謝。

田舎も都会も、徘徊すると面白い!

能登の家から、一番近いお店は、徒歩20分(徘徊しながら、季節の野花などを摘んだりしながらいくので、
いつも30分近くかかる)の中根酒店。店主が施設に入ったので、今は後期高齢者の奥様がきりもりしている。
能登滞在中の10日間、東京からもっていく食料+現地で調達する魚や野菜(ほぼ・原始的ぶつぶつ交換 タコは
今回一週間で7尾釣った。朝まずめ(太陽がのぼるころ)しか釣らないし、一尾釣れたら、おわりにしてるけど、
夕まずめ(太陽が沈むころ)も釣り糸を垂らすと、きっと釣果は、二倍以上になる)で、自給自足に限りなく近い
状態やけど、隣のばあちゃんが、かわいがっていた野良ネコちゃんたちが、腹を減らしているので、中根酒店で
ときどき牛乳を買う。店主のばあちゃんも、母性本能がゆたかで、ときどき賞味期限が近づいた牛乳を
タダでくれたりする。

近所の漁師さんたちが、ときどき大漁の時に、ブリとかヒラマサとか鰆(さわら)などを、生きたままくれる。
それを出刃で解体し、頭とか中落ちとか、つまりアラという部位は、野良ちゃんたちのエサになる。よって、
生ごみのでる量はいたって少ない。
野良ねこさんたちは、お礼のつもりなのか、こないだは玄関先の甕(かめ)で水分補給していたマムシを
退治してくれた。みんな自分のできること、で、原始的ぶつぶつ交換をしている。だから、為替が大きく変動したり、
物価が高騰しても、「それなりに」、生きていける世界だと思う。考えようによっては都会暮らしより「ゆたか」だ。
正社員でないひと(正社員だって)、年金暮らしのひと、コロナや親の介護などで離職している人・・・・
このままだと、座して死を待つ、そんな状況が年末から来年にかけておきてきそうな感じじゃない?

昨日紹介した「能登」の最新号は、特集は「珠洲」で、珠洲に移住した人にスポットをあてている。
ぼくは観光大使でもないし、どちらかといえば、名無しの根無し草タイプだけど、大阪と同じ面積で、
日本海に竜のようにつきでた半島に19万人が、発酵文化や縄文文化を継承しながら生きている人たちに
「これからの日本のありよう」みたいなヒントがいっぱいあるように思う。
能登や金沢の本屋でしかおいてないけど、ネットで買える便利な世の中。880円也。

昨日は朝近くの神社まで徘徊散歩。道すがら、最近できたチーズケーキやの店主に、能登柿を土産にもっていった。
今月初めに「珪藻土焙煎器UFO」を買ってもらった。いや性格にいうと、押し売り(笑)
「これから、珈琲豆がどんどん値上げされるけん、自分で焙煎しないと、生き残れんばい」
と、老婆心のような、老人特有の説教みたいなことをいって、買わせた。まるで統一教会だ。
「生豆はうちで買ってもいいけど、お互いに『しばられる』のはいやなので、ネットで買って」
という風にした。昨日は真顔で質問された。

「毎日、焙煎が安定しないし、豆によっては、まったく焙煎の要領が違いますね?」と店主。
「昨日と同じ今日なんてない。一秒違っても、温度や湿度でも違う。そんなの気にしなくていい」と答えた。
加えて「最近焼いた豆は?」と質問したら「マンデリンを焼きました。これがまた難しくて・・・」という。
「マンデラエフェクト(マンデラ伝説、ともいう)ってしっとーや?」と問うと「知りません」と真顔。
そうか、別名「マンデリンエフェクト(これはウソ)・・・事実とは乖離された味になったりするっちゃ」
なんか、朝から奇想天外な禅問答みたいになった。

「失敗する自由を手にしたと思いなさい。そのうち「自分の味」というのが、つかめるようになる」
とだけいって、神社に向かった。
どこどこのカリスマ?バリスタの味に近づけたり、今の教育みたいに画一的な味にする必要なんてない。
昨日も珪藻土焙煎器が、2個嫁いだ。UFOが「飛ぶほど、売れない」けど、100匹目の猿は
すぐに超えそうだ。100匹を超えたら、世界に飛んでいくかもなんばん?とらぬUFOの皮算用?

今日も12時から16時まで営業。それから「そば打ち教室」「UFO焙煎塾」

明日の朝は「卵かけごはん」   珪藻土の竈で炊くごはんで卵かけごはん。手前味噌汁と香のもの。一汁一菜の基本。

能登の珠洲が熱い

先日、無事東京についた。
お店の玄関を開ける。取っ手に「天真庵」と刻まれたノブ。
金工の角居康弘くんが、つくってくれたものだ。
玄関のポストには、季刊誌の「能登」が入っていた。
今回は「珠洲の引力 先端の魅力」で、表紙に
栗毛の馬で顔に流星、あの昭和の名馬「テンポイント」みたいな
きれいなサラブレットと、鬣(たてがみ)をなでる男の人がのっている。

この人のページが6ページ。競馬ファンなら、知らない人がいないひと。
「世界の角居」と呼ばれた天才調教師・角居勝彦さん。角居くんの兄ちゃん。
(弟くんも最近は作品が海を越えているので、ぼくは小さな声で『世界の角居』と呼んでいる)

ちょうど天真庵が押上で始まった2007年、角居厩舎のウォッカ(牝馬)が、日本ダービーを勝った。
今は、競馬ファンに惜しまれながら、引退して珠洲に移住し、「みんなの馬株式会社」をつくり、クラウドファンディングで
お金を集め、引退したサラブレッドを支援する活動をしている。
朝からへんな話をするけど、引退したサラブレッドは、大半が「馬肉」になるのだ。角居さんは、そこを何とかしたい、
と現役の時から思っていたらしい。

テンポイント・・・(大学時代は、よく京都競馬場にいって、テンポイントを応援していた)
伝染性貧血による殺処分から運よく逃れたクモワカ(ばあちゃん)と、その娘(母)として生まれ、母が2着に敗れた桜花賞を制したワカクモ。殺処分になろうとしたクモワカを、北海道まで内緒で運んだ男がいた。そんな母娘物語の「悲しいロマン」に、孫のテンポイントがさらに海外遠征を前にして雪の京都競馬場でレース中に骨折し、5歳で星になった。

ワカクモを、内緒で北海道まで連れていった厩務員役を演じたのが緒形拳。「もし朝が来たら‾テンポイント物語 」・・最高!
本を読んでいると、緒形拳さんと角居さんがだぶって見え、昨日は酒が馬かった。

今日明日は12時から16時まで営業。
その後は、「そば打ち教室」と「UFO焙煎塾」珪藻土焙煎器・UFOも、珠洲の珪藻土からうまれた。珠洲が熱い!

口福になる方法。

月曜日にやる予定だった稲刈り。雨が降ったので、
晴耕雨読で、「海が見える家」(はらだみずき)を読んだり、珪藻土屋さん
のクラウドファンディングを寸志ばかり参加したり、柿を収穫したり、夕方は
タコ釣りをしたりした。将来田舎暮らしをしようと、思っている人には、「海・・」
はオススメ。

昨日は朝の気温が14度。梅茶翁のある能登町の瑞穂(みずほ)まで、野良仕事仕様で
車を走らす。さすがに瑞穂は山の中なので、温度が12度。完成したペチカの火が、やさしく
迎えてくれた。さっそく、注文を受けた「珪藻土焙煎器 UFO」で、モカを60g焙煎して、
みなで飲んだ。ペチカのゆらゆらする火を眺めながらの朝の珈琲。「能登の珈琲時間」
が、始まった。カルロ・ロヴェッリさんの御本には「この世界には根源的な時間は存在しない」とあった。人間が
きめることらしい。とても素敵な「出発点」を感じた。

3度目の米の収穫。6年前までは、清住白河に住んでいたふたりと、墨田区から半分移住したぼくら
4人で、機械をつかわず、鎌で刈って、はざがけをして、自然乾燥。もちろん、無農薬、除草も女装もしない、
化学肥料も有機肥料もなにも足さない。そこの土地の自然の力におまかせしている。
おかげで、田んぼの中は絶滅危惧種の「げんごろう」や「サンショウウオ」などが、楽園を謳歌するがごとく遊んでいる。
田んぼの横には梅林があり、来年もまた梅林ガールズたちの訪れを待っている。
今年は、日本ミツバチの蜜も無事収穫できた。当たり前のことだけど、この田んぼに農薬をまいたりしたら、
日本ミツバチは、生きていけない。最近全国でハチが少なくなっている。受粉という大事な仕事をするハチが
いなくなったら、畑の野菜や果物のできが悪くなる、は、自明の理。都会に住んでいると、そんな「命」
にかかわることも、どこか他人事のような話になる。まったく話にならない。

「寿」という字は、「田んぼでチンポが立つ」という象形文字からできた。命もそこが原点。
新米が採れる。ここから「口福」が始まる。
「福」という字は、神棚に田んぼで収穫した初穂を供える、という象形文字が原点。

どうも「時間」と同じく「幸福」の基準も、それぞれの人のこころの中にあるらしい。
東京と田舎を往復していると、そんなことが、体で感じられるようになるような気がする。
東京と京都の「喫茶店」から豆の注文があったので、今朝は囲炉裏に炭をおこし、朝ごはんの
後に、炭を珪藻土七輪に移し、焙煎をする予定。
明日の朝、東京に向かって出発。

来月の11月8日(火)(11時半から)に、中能登の天日陰比咩神社 ( あめひかげひめじんじゃ )で、三輪福さんが特別奉納の舞をする。産霊(むすひ)
「おわら風の盆」随一の胡弓の名手「若林美智子」さん、神楽太鼓の石坂さんも参加。

お申込みは、天日陰比咩神社(石川県鹿島郡中能登町二宮子甲8  電話 0767 76 0221)まで!
参加費3500円(小中学生 無料)

能登の田舎塾!

東京から、若い女子ふたりのお弟子さまが、「田舎塾」にこられた。
金沢まで新幹線。そこでレンタカーを使って、能登の家まで。
松本清張のゼロの焦点の舞台になったヤセの断崖まできてもろうて、そこで待ち合わせ。
義経の隠し舟、とヤセの断崖を見たのち、家へ。
「畑仕事」を手伝いたいといので、一時間ばかり野良仕事。

いい汗をかいたので、近くのじんのびの湯までいってひとっぷろ浴びる。
その間に、ぼくは家で、ふくらぎと、アオリイカとタコの刺身をつくり、タコ飯を土鍋で炊き、
夕餉の準備。このあたりは、土曜日は一日漁にでない(環境保全と一種の働き方改革)ので、みんな
天気がよかった金曜日に、おそくまで伝馬船にのってアオリやふくらぎなどを釣りにいった。
「若い女子たちが遊びにくる」という噂をきいて、地元のじいちゃんたちが「能登のまいもん(うまいもん)を喰わせてやって」
と、差し入れされた魚たちばかり(タコは自分で釣った)。
能登はやさしや土までも・・・・人がとくにやさしい!

亀泉を飲みながらおそくまで談論風発。酔ってみんなで雑魚寝。
今朝は、6時に防災用の有線放送の「さざえさん」で起き、みんなでタコ釣り。
ビギナーズラックで、女子の竿のタコヤンにタコが抱き着いたけど、おしくもゲット寸前に海に逃がした。
逃がした魚は大きい。タコも大きかったみたい!

朝飯前に、柿の収穫を手伝ってもらう。先月は栗。今月は柿。里山の秋は実りがいっぱい。明日は稲刈りだ。
朝食は、ガレット。昨日さしみにしたアオリイカのゲソを使い、タコガレみたいなイカガレ。なかなかいかす味だ。
珈琲は、自分で「珪藻土焙煎器 UFO」で焙煎して、ドリップで淹れる。
東京では味わえない「田舎暮らし」を体感し、今日の午後の金沢発の新幹線で東京へもどるべく、帰っていかれた。

今日はゆっくり読書でもして、夕飯はアオリイカのゲソがまだ残っているので、しめじや野菜を
ジェノベーゼであえ、パスタにでもしようか?
などと思っていたら、近所のおばあちゃんが「今朝釣れた」といって、またふくらぎをもってきてくれた。
名前のように「福が来る」と、先人たちが名付けた意味を知る。
フクラギからガンド。冬になればブリ起こしという雷がなるごとに、ガンドが成長してブリになり、
富山湾についたころには「寒ブリ」というブランディングされた出世魚が、高値の花値段で取引されることになる。

ぼくは、出世した魚よりも、雑魚のほうが好きだ。
魚も人間も・・・
そんな光があたらなく、出世街道からはずれた人生を上手に小説にする作家がいる。「はらだみずき」
その近著「海が見える家」シリーズが、おもしろい。