おもうまい寿司屋が能登にある!

昨日は銀座のカフェ用にたくさん焙煎をし、卵かけごはんの日をこないした。
どちらも、能登珪藻土の七輪を使って、炭火で焙煎したり、羽釜でごはんを炊いたりするので、
いっけん、「メンドウ?」と思われているフシがあるけど、そんな風に思う目は節穴かもなんばん。
誰にもこの仕事はわたしたくない、くらい楽しい仕事なのです。(夏はすこし暑かばってん)

今日営業したら、水木が休みなので、「明日はゆっくりしよ」なんて思っていたら、赤坂のお店から
「癒される珈琲豆至急頼む」のメールがきた。ので、今朝も、朝はやくから、せんべいやのジイジよろしく、
手回しの焙煎機を、珪藻土七輪にのせ、朝飯前にガラガラと焙煎。
その後、新聞のテレビ版を見ていたら、「おもうまい店」が7時から、と。しかも
「寿司の天才?」とか「親子で・・」とかいう見出し。その番組は「これでもか・・・というオマケやびっくりサービスを
するお店がターゲット」みたいね、見たことないけど・・でも今日紹介される「つくし」は、ほんとうに、天が与えてくれた才能を
フルに発揮しているようなお店。小学生のAくんと、ふたりで「能登で生きる」をやっている。

つくしさんから、徒歩3分くらいのところに「ふくべ鍛冶」がある。北前船の時代から、能登の船乗りたちは
そこの「マキリ包丁」を使っている。イザの時は船のロープを切り、釣った魚をさばき、陸にあがれば、里山にいき、
鉈(なた)のかわりに、草木を伐り、獣たちをとって捌くのにも使ってきた。文化包丁と次元が違う「万能包丁」だ。
能登で暮らすことを決めた日に、すしを食べ、ふくべさんにいって、「マキリ包丁」を頼んだ。その当時で一年待ちだったけど、
今では毎朝、釣り道具が入ったショルダーバッグの中に入れている。大きなタコがとれた時は、それで彼らの急所の目と目の
間を〆る。山菜の季節になると、タラの芽なんかをチョイチョイと採集するのもオテノモノだ。

コロナ禍になって、ふくべ鍛冶さんに、もうひとつの人気商品ができた。家庭で料理をする人が増えたので、
「砥石で研ぐ必要のある本格的な魚用包丁」の需要があがった。
筆子さんが昨年、その包丁を頼んだ。なんと名の冠に、待ち時間がつけられている。「24か月待ちのイカ割き
確かそんな風だ。あと一年もすると、出来上がるハズだ。イカ割き、とあるけど、アジやキス、鯛・・なんでもOK牧場。
これまで、大量生産品や、時短で便利なものがもてはやされてきたけど、「時間の流れ」や「モノの価値」が
ずいぶん変わってきたように思う。時間とかモノの価値も、オシツケみたいなものに支配・洗脳されてきたようなもんで、
ひょっとしたら、「自分のモノサシ」がなかっただけなのかも知れませんね。
これから、能登は魚も酒も美味い季節になる。来月からは、仲代達矢さんの「いのちぼうにふろう物語」(9月4日~10月10日)も
能登演劇堂で始まる。原作は山本周五郎の「深川安楽亭」。江戸の人情もの語りを能登で聞く・・これまた一楽なり。感謝。

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