能登の地酒・亀泉を飲む

能登にそんな地酒がある。
総持寺の門前にあり能登の家から一番近くにある酒蔵なので、ときどき車で
買いにいく。
2年くらい前、幻の「ゴートウキャンペーン」の時、梅林ガールズたちと「じんのびの湯」と
併設するビュースポットホテル?に泊まった。夕餉に飲んだ「亀泉」が美味く、次の日の朝
みんなで中野酒造を訪れた。
昨日も書いたけど、総持寺を開山した瑩山禅師が夢枕にでた霊水「古和秀水(こわしゅうど)」を
仕込み水にしている。

受付には、かわいらしいおばあちゃんがいた。いつもニコニコしている。
包装紙がもったいないので、一升瓶をそのまま車に運ぶ用意をしていると、
「割れたらもったいないので・・」といって、ダンボールを用意する。その所作が
茶人のようにはやく、美しい。でもやっぱりもったいないので、秩父の酒蔵でもらった6本入る酒ケース
をいつも車にのせて走ることになった。亀泉の大吟醸は一本4800円くらいする。
それを買おうとすると、「それは高いよ。純米酒でもおいしいよ」と約半額の酒を
すすめてくれる。そしてお勘定をすませると、玄関までおくってくれて、おまけに紙袋に入った亀泉の手ぬぐいと、
なぜだかポカリスエットのライバルのアクエリヤス?のペットボトルがはいったのをくれる。

先日、中野酒造にいった。おばあちゃんがいなくて、杜氏さん?が応対してくれた。
気になって「おばあちゃんは元気ですか?」と尋ねると、「26年間も務めてもらって、接客からレジ打ちから
発送の手配から、なんでもこなしてくれるので重宝してましたが、体調をくずしてやめられました。86歳に
なりましたが、近くで療養しながら暮らしております」とのこと。その家の人ではなく、務めていたのだ。すごい。60歳から!

宝島社のムックで「60歳から始めて人生が楽になる100のこと」という雑誌が本屋に並んでいる。
60歳から新しい仕事について、26年も「自分らしさ」を発揮することができたおばあちゃんの後半。人生いつからでも
「いたるところ青山あり」だ。
その雑誌で、60歳にまだひとつ足りない筆子さんが、見開きで紹介されている。天真庵の近くに60過ぎからタコ焼きやを
はじめたおばちゃん、そのならびのたねちゃんの珈琲屋の向かいの「うさぎ食堂」のおかあさんも
その本に紹介されている。彼女は古希をこえてお店をつくった。女性向きの雑誌とはいえ、世の中の女性たちは
元気な人が多い。

亀泉は東京では売っていない。地酒とは、その土地で飲むのがよい。身土不二で地産地消。
夕べは、久保さんから送られてきた「うなぎの山椒煮」と「さざえの佃煮」・・とれたて野菜・・などを、志野の小皿や片口にもり、
織部の六角の盃で、亀泉を飲んだ。
歳に関係なく「人生を楽しくしてくれるイの一番」なことだ。
いい器、いい肴、いい酒・・・・人生が「ゆたか」に育んでくれる。感謝。