ブラタモリで能登・・・

今朝、タコ釣りにでかようとすると、携帯に昨日夜に、そばのお弟子様から
着信あり。「ブラタモリで能登がでてます」とのこと。
能登で生活していると、財布と携帯を探す頻度が多くなってきた。
どちらも、都会で生活している時と違って、使う頻度が極端に少ない。
くわえて、テレビは見ないので、ブラタモリという番組を見たこともない。

先日、門前の「手仕事や」という蕎麦屋(豆腐屋もやっていて、どちらも絶品)で蕎麦御膳(豆腐・そば・厚揚げの煮物・ひじき煮など)
を食べた。門前、というのは、元総持寺の門前で、永平寺と並ぶ曹洞宗の本山で、今でも世界中から禅の修行にやってくる聖地だ。明治時代に大火により、総持寺は神奈川の鶴見に移った。

先々月、総持寺の近くの名水「古和秀水」(こわしゅうど)を汲みに、能登の家から2リットルのペットボトルを
リュックに積んで、ブラタモリよろしく歩いてでかけた。「すぐそこ」だと思っていたら、往復40k弱あって、7時間
半ほど歩いた。

「峨山道」(がさんどう)という里山古道を通って、昔は遠くから総持寺に禅を学びにきてた。
総持寺の二祖「峨山禅師」が、羽咋(はくい UFOの街)の永光寺と住職を兼ねていた。
今流行りのデュアルライフのはしりで、彼は早朝未明に永光寺の朝の務めがおわるやいなや、十三里(52k)の山道を歩いて
総持寺で座禅をしていた、という記録が残っている。そんな生活が20年続いていたらしい。
総持寺では、朝がゆを終え、禅師の到来を待ちつつゆっくり読経する「粥了諷経」(しょくりょうふうざん)というならわしが、
禅師没後650年の今でも続いているらしい。もうひとつの道元禅師もそうだけど、座禅の仕方、粥や精進料理の食べ方、
便所や顔の洗い方・・・生活全般にわたる精進のコツをこつこつ解いたり、本にしてくれた。今でもお寺のまわりに
おいしい豆腐屋やそばやが残っているのもうれしい。

えらい人が歩いた道を、ひとり歩いてみると、聞こえないレベルで、神さまが通った足音、みたいな音が
聞こえる時がある。昨日のブラタモリでタモリが歩いた道か、知る由もないけど、能登へくることがあったら、
ぜひ総持寺に参禅し、手仕事やで蕎麦を手繰り、峨山道をブラタモリしてみてほしい。感謝。