今朝は、5時過ぎから筆子さんが、梅干しを甕(かめ)に仕込んでいる。
東京生まれの彼女は、甕と亀の発音がしっかりと違っている。
九州では、その違いがほぼないように思う。いろんな土地の人がゴールドラシュのように
集まっていた北九州の小倉で生まれた性かしらん?そのうえ、九州弁と京都弁と東京弁が
ごっちゃになっていて、ときどき自分でも意味不明の言葉を発したり・・
昨日の夕方、ぼくのお茶のお弟子様が梅仕事にきた。
しばらくぶりだったけど、歩き方や所作が、より茶人らしく美人になってきた。
べつに、先生がよかったわけでもない。二か月前から「還元くん」で、星野村の玉露を
水素茶にし、麦茶でわって、家族で飲んでいるのが、いい、らしい。
年老いた両親も「しっかりはまって、こころなしか、若返ったみたい」とのこと。
実は梅仕事の一時間前に「滝風イオンなんじゃら・・」を買いにこられた。
「還元くん」に関する本を読んでいたら、「滝風・・」に出会い、売っているところを
検索したら、世田谷に一件あって、そこで買おうと思ったけど、24万プラス消費税を先払い
するのも不安だし・・と思って検索を続けてたら「えええ、天真庵で売っているじゃん」ということを
うちのHPで見つけて、昨日24万と消費税264000円を握りしめて、チャリンコでやってきた。
ショートメールで注文がきたので「消費税はまけちゃる」と返事していたのに、
「こんないいものは、負けてもらったらバチがあたる」ときかない。
「いいっちゃ・・・といって24万だけもらおうとしても、不服な顔をしている」
まるで落語の「意地くらべ」さながら・・「これはおれが、きめたんだから」ときかない(笑)
いったんひっこめたのだが、帰りぎわに「では、能登の地震のお見舞い、ということで」といって、筆子さん
にそっと渡したみたい。こんな頑固な下町人情もんがまだ住んでいるところが、押上、だ。
そして一時間後に梅仕事にきて
「コンセントにさすだけで、部屋が異次元の世界になりますね」と上機嫌。
「自分の部屋の机の右に置いて、説明書を読んでいただけで、ほら右の髪の光沢がかわってきた。ミ・ド・リの黒髪・・」
といって笑う。「おまえさんが、そういうんだったら、そうだろうよ」と答えた。
梅干しを仕込んで、またチャリンコで家に帰っていった。さすがに物書きだけあって、いうこともおもしろい!
「来週また、マイナスイオン効果の顛末話にきま~すね」なんていいながら・・
閉店間際に、近くの「お世話しあうハウス」の女将さんが「お赤飯」と銀座の「空也もなか」
をもって、珈琲を飲みにきた。
「いつもお世話している93のおばあちゃんが、先週墨東病院に入院して、明日退院するんで、
お赤飯つくって、彼女の好物の空也もなかを買いにいってきた」とのこと。贅沢なおすそ分けをいただく。
お世話している人が入院すると、帰ってこないことのほうが多いらしい。人生の後半は「わかれ」が日常になる。
七五三、初潮、成人式・・・お祝いのハレの日には、お赤飯がいい。
昔、IT業界の重鎮なんやけど、業界主催のゴルフのコンペで優勝すると(あまりうまくなかったけど、ハンディーでめぐまれたりして
ときどき優勝してた)、「今日は、仲間と運に恵まれて・・・なんていうような形式的な挨拶をした後、『今日はお赤飯ものです』」
としめていた男がいた。おめでたい男だったけど、今はどうしてるのだろうか?人生の19番ホールで、眠られているかもなんばん?
「♪君がみどりの黒髪を・・・またいつかみんこの別れ」 島崎藤村の「惜別の歌」 まさに「さよならだけが人生だ」!