ひょっこりひょうたん島に素敵な温泉

「チルい」という言葉をかみしめながら、東京にもどってきた。
能登の家に戻る時は、近所のおばあちゃんに「おかえりなさい」といわれる。
東京にいく日は、「いってらっしゃい。コロナに気をつけてね」なんていわれる。
「これ食べたら、コロナにならないよ」と、家の前の海で採れた今年のワカメを
いっぱいもらった。乾燥したワカメは、近くの富来(とぎ)の「道の駅」に納品する。
金沢あたりの人たちも、「能登のワカメは美味い」ことを知っているので、すぐに完売する。
昨年、「少しわけて」とお願いして、東京のお店に並べるとやはりすぐに完売。
今年もお願いして少し買わせてもろうた。味噌汁に豆腐といっしょにいれると、湯気の中に能登
の海が蜃気楼のようにあらわれる?そんな能登自慢なワカメ。

東京にくる時は、藤瀬(ふじせ)の霊水を汲み、ひょっこりひょうたん島のモデルになった能登島の
「水」という食堂で朝飯を食べ(いつもぶりのカマを焼いてもらう。総菜3品、ごはん、みそ汁付きで950円。先月から100円値上がり)、
和倉温泉の「総湯」という湯本みたいな(加賀屋もそこのお湯)に480円(440円?チケットを買うので、忘れた)で入る。
今月まで大改装中なので、今回は能登島の「ひょっこり温泉」(550円)に始めていった。朝9時半からあいている。
11時くらいだったけど、駐車場には、他府県ナンバーのキャンピングカーとか、ワンボックスカーなどがいっぱい
とまっていて、お風呂の入り口には「ただいま混みあってます」と書いてあった。ぬるい泡泡ぶろふたつ、暑い湯、露天風呂があり、
「混みあう」という感じでもない。ぬるいあわあわに浸かっていると、隣のあわあわに浸かった同じ世代の人に、
「どこからですか・・・?」と声をかけられたので、しかとしたいところだが、何かの縁なので「志賀(しか)からです」
と答えた。「ぼくは、埼玉からきました。定年を迎えたので終の棲家を能登にしようかと思い、これから二年ほど、
能登島に家を借りて住みはじめました」とのこと。話にのると、なんぼぬるい温泉とはいえ、ゆでだこになるので、
「そうですか、いい空気を吸って長生きしてください」とだけ伝えて、露天風呂にいった。

♪波をちゃぷちゃぷちゃぷちゃぷかきわけて
(ちゃぷちゃぷちゃぷ)
雲をすいすいすいすい追い抜いて
(すいすいすい)
ひょうたん島はどこへ行く
ボクらを乗せてどこへ行く
(ううううーううううー)。。。と鼻歌がでそうになるほど、気持ちがいい温泉。

3日前に、珠洲の珪藻土七輪屋さんにいった時も、所沢ナンバーの白いワンボックスカーから同世代の男の人が
降りてきて、七輪をあれこれ見て迷っていたので、「よくばり七輪」をすすめてあげた。やはり能登くらしを始めた初心者らしい。
ぼくらの世代になると「一生もの」の時間が短くなるので、「どうせなら、値段がはっても、一番いいもの」
を選んだほがいい、と、ぼくは思っている。23000円くらいするけど、魚や肉を焼いてもうまいし、
火消し壷にもなるよう、ピタット蓋がついている。なんなら、ぼくの「三日坊主の焙煎塾」に通って、ロースター(老スター)
の道をいく、という人生もあることを説明したら、目が輝いていた。マスクをはずし、「ぼくは〇〇いいます。こんな顔です。
覚えていてください」と挨拶された。ヤクザな人生を歩いてきたぼくとは、真逆の人生を歩いてきたような人だ。

ワンボックカーとか、キャンピングカーがはやり、「車中泊」が大人気になってきた。全国津々浦々、道の駅があるので、
トイレ、駐車場が困らないし、ところによっては温泉がいっしょになっているところも多い。
最近は「車中泊専用の宿」もあるのご存知?ぼくも地元の新聞を読んでいてはじめて知った。
カキと相撲の遠藤のふるさとの穴水に「田舎バックパッカーハウス」という宿?があるらしい。これからのトレンドやね!
つまり、車中泊では足りない「食べたり、調理したり」する共有スペースをお貸しします、という宿。
なかなか人気らしい。駐車場で、「炭火焙煎」させてもらい、宿泊する見知らぬ人たちにふるまったりすると、
「チルい」(落ち着く)といわれ、最後の「モテキ」になるかもなんばん?(自分でやったりして・笑)