おからだお大豆煮

今年は、能登で知り合った「地球知足」さんの大豆が大活躍している。
これまで、いろんな大豆を使って、味噌をつくってきた。「借金なし」
とかいう名前の大豆もよかった。最近は「黒豆」で味噌をつくる人も多い。
昨年は、ひよこ豆でもつくってみた。今年は「くらかけ豆」と「緑豆」の味噌にも
挑戦する。大豆と麹は、自分で選ぶことができる。お塩は、気にいった塩を持参しても
OK牧場。

でも圧倒的に「能登塩」(揚げ浜式)という古来より伝わる伝統的な作り方の塩
でつくる人が一番多い。夏の梅仕事にも大活躍するので、能登にいる間、珠洲の塩屋さんには
必ず顔をだす。名人のじいちゃんは「神の手」をもつ職人だが、昨年は寄る年波で、少し体調を
くずされた。どの世界も「後継者不足」に悩む。知足と不足は、似て非なるほど、違う。

「足るを知る」の洒落ではないけど、昨日は陶芸家の愛子さんが味噌をつくりにきた。
彼女は、2007年の4月の天真庵のオープンイングパーティーの時、カウンターで
たこ焼きを焼いてくれた。陶芸の腕もあげ、昨年はスイスで陶展をするほど世界的になったが、
たこ焼きの腕も、玄人はだしレベルだ。
味噌つくりも最初のころは常滑の壷をつかっていたが、今は樽(たる)を使ってつくる。
「樽の力を知っている」のだ。陶器と違って、空気が入りやすいので発酵の力は一番。欠点
としては、カビがつきやすい、という両刃の剣みたいな特徴がある。酒作りもしかりだけど、
その樽にのこる菌が、また次の味噌作りの時に大いに活躍してくれる、というのもすごい。

伊賀にある彼女の窯にお邪魔して、陶工の仲間たちと酒を酌み交わしたことも懐かしい。
今流行りになりつつあるが、東京と伊賀のデュアルライフを10年以上続けている。
能登の家にコンポストトイレを設置したのも、彼女の助言が大きかった。
「薪ストーブもいいわよ」という助言は無視して、ペレットストーブを東京のお店に置いて
実験中。薪を割ったり、それを保存する場所をつくったり・・・寄る年波がおしよせる老体には、
「ペレット・・」のほうに軍配があがりそうだ。

今日も朝から、そのペレットストーブの上に、大豆を浸した寸胴をおいて、暖をとりながら
ことこと大豆を煮ている。
少し東北なまりのやさしい言葉が匂いたってくる。「おからだおだいずに・・」感謝。

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