シッタカブッタ

そんなマンガが二十周年を迎えたらしい。
先週、古本屋街を歩いていたら見つけたので、ひさしぶりに一冊買ってかえった。

水曜日・木曜日は定休日だけど、2月は味噌作り月間なので、休み返上で朝から
菌活。水曜日は、ぬすみぐいくん夫婦と、その仲間のイタリアンのシェフたちが、味噌作りに
きてくれた。ぬすみぐいくんたちは、天真庵の近くにアトリエ兼ショップがあり、結婚する前の
両家のご挨拶の時に、天真庵の普茶料理でもてなしたことがある。若者向けの素敵なファッションを
リードしていて、全国にファンも多く、出生して押上から金沢文庫の丘の上にある古い家を改装し、
ガーデニングをしながら、カッコよく暮らしていて、そんな様子がよくファッション誌などに紹介
されるようになった。正確には「NUSUMIGUI」というブランド。

昨年の正月すぎ、彼らの庭の梅の剪定にいった。その庭に、梟(ふくろう)がきたり、シジュウカラや、鵯(ひよどり)、
烏(カラス)などもやってくる。今は三光鳥(サンコウチョウ)を見つけることに夢中らしい。
サンコウチョウという名前はさえずりが「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ」と聞きなされるため、「月、日、星」で3つの光の鳥という意味で三光鳥と名付けられ、とても縁起がいい鳥だが、警戒心が強く、なかなか近くで見ることができない鳥だ。

鵯(ひよどり)の字は、卑しい鳥。義経の鵯越の作戦に使われた名前であるが、餌をよこどりしたり、
少し品格に欠けるので、そんな漢字になった。「烏」もゴミ箱をあさったり、同じ部類に入る「鳥」なので、
「一本何か品格がかける」という意味で、鳥の字から「一」がぬけている。
京都に「烏丸」という通りがある。よく「とりまる」と呼ぶ人がいるけど、一本ぬけているので「からすま」
といいます。身近にいる鳥たち・・・名前の由来や鳴き声の擬声などを学ぶと、思い白いことがいっぱいある。
春になると、ホオジロが「一筆啓上仕り候」(イッピツケイジョウツカマツリソウロウ)と鳴く。
鳥でさへ、一筆したためるのだ。メールやスマホで、なんでもすませる時代だけど、ときどきはハガキや手紙を
したためるのもいいものだと思う。

先日、近所のおばあちゃん(この界隈の土地をいっぱいもっている)が、電信柱の上にいる鳥を見て、
「ねえ、あれどこかの家で飼ってたものが逃げてきたのかしら」と問うので、
「あれは、シジュウカラという野鳥で、家で飼うもんじゃないです」と教えたら、「あんな
きれいな鳥なら、家で飼ってみたい」というので、「あの鳥を買うと、始終空(しじゅうから)・・つまりどろぼうに
入られたり、火事になって一文無しになったりしそうな感じなので、昔から家では飼わない
ほうがいいみたいよ」といったら、ムッとした顔して帰っていかれた。
ちょっとシッタカブッタ気分になったけど、始終空・・・・仏教の教えの根本は「空」(くう)
なので、もしかしたら、一番悟りに近い小鳥なのかもなんばん・・・

能登ではよく渡り鳥たちの群れを見る。風力発電がある影響、メガソーラなどもそうやし、そんなおかげで
鳥の生態が大きくかわっているようだ。鵯や烏を、蔑むよりも、この星で一番品格のないのは、人間である、を
自覚するほうが、いいかも?

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