墨田で炭だ!

昨日は、朝早くから3時くらいまで、能登の七輪で炭火焙煎。
東京ガスが設置した探知機?が「ゴチュウーイクダサイ 空気が汚れてます」
としつこく警告するので一たん休憩して、近所にできたカフェ(なんやら珈琲?)まで散歩。
昨年の暮れにできた。亀戸線の踏切のところにできたので、「踏切長屋」
とかいう建物の一階が、珈琲屋、二階がシエアハウスになっている。

半径1kの中にあるカフェとか居酒屋には、ほとんどいかないようにしている。
知り合いに会うのが面倒やし、こちらがオフの時は、あまり口はききたくないし、
どちらかというと、引き籠り状態のほうがここちよい性格。
毎朝、香取神社にお参りする時に、そこのお店の踏切を渡っていくので、すこし
気になって(こんなうらぶれた街で、珈琲やさんが成り立つのかな?とか、知り合いの
物件なので、家賃をぼったくられてないかな・・?とか・・珈琲豆は、生焼けじゃないかな・・?とか)
ドアを開けた。うら若き女性の店主が「いらっしゃいませ」とニコヤカに挨拶してくれた。
「同業者ですいません。視察にきました。そこのテンシンアンです」というと、びっくりされた。

実は、その二階に住むSくん(大学生)が、ぼくのそばのお弟子様で、そのくんが
「なんやらちゃん(覚えていないのは、みな、なんやら)という一階のカフェの店主は天真庵に
いったらしいっすよ」と教えてくれた。
ので、能登で焙煎しているサンクスカードと、焼き立ての「ほぼブラジル」を手渡し、
メニューもみなくて、「この豆をエスプレッソでお願いします」と注文したら、ニコッと
して「承知しました」という。「これ持ち込み料 おつりはいりません」といって、千円をカウンター
においた。

待っている間、久保さんの新作といっしょに、荷物に入ってあった「俵屋(京都の老舗旅館」の本を
読んでいた。あまりにおもしろく、ここがどこかもわからないくらい没頭していたら、小さなデミに
「ほぼぶらじる エスプレッソ」がでてきた。おつりの550円をそえて・・前日、銀座で飲んだのは「ほぼぶらじる エスプレッソばってんアメリカーナ」
。どちらも、素は、「炭火焙煎のほぼぶらじる」だけど、似て非なる味がする。これまで「日本のエスプレッソなんて・・」
と、なかば見下し半ぎみに敬遠していたのが、「新しい世界の珈琲やな」といった衝撃を二日連続うけた。

炭火とガスの違い・・・・うまく説明できへんばってん、ガスや石油ストーブの前にいると、
あたっている前の部分は温かいけど、それだけ。炭火に手をかざすと、体の中を通して、背中まで
あったかくなる。
陶芸の世界でも、ガスや電気の窯で焼いたんと、薪窯で焼いたんでは、味わいが、ベツモンである。
もちろん、天真庵で使っている珈琲カップや、そばの志野の四方皿、唐津の蕎麦猪口、豆皿・・・
は、ぜんぶ久保さんが穴窯で焼いたものだ。志野の四方皿は、15年毎日使っているけど、
一枚も割れていない。中までしっかり焼けている証拠。陶芸家の腕のよしあしに、そんな「中まできっちり焼けている」
というのは大きなポイントだ。珈琲豆も、同じことだと最近思う。

残り香を楽しみながら、界隈を一時間ほど徘徊散歩。前日と同じく、余韻が一時間・・・
銀ブラもいいけど、下町散歩も捨てたもんじゃない。
墨田で炭だ!すみにおけない珈琲人が増えてくれれば、OK牧場だ。
いつか「炭田珈琲店」という珈琲やができるかもなんばん。廣田くん(すみだ珈琲の店主)がはらかくかな?

今日から通常営業・・・土日は12時から16時まで