新しい時代の銀ブラ

帰る高速道路の途中、携帯にメール。
銀座の隕石屋カフェの主人から
「豆がなくなりそう。至急頼みます」とのこと。
一日はやく東京についたので、一日なにもすることがないので、
さっそく豆をもって、納品。

毎月かなりの量の「炭火焙煎珈琲豆」の注文をいただくばってん、
まだいったことがなかった。べつに、銀座が苦手なわけでも、面倒なわけでもない。能登
にいる時に注文をもらうと、郵パックでおくれば、安くて、次の日に届く。
東京にいる時は、休みの日は朝から晩まで焙煎をしているし、その間に、「珈琲塾」が
あったり、お仕覆とか蕎麦教室・・・野暮用が目白押上なので、*「銀ブラ」の時間があない・・
*注  銀ブラとは、銀座をブラブラすることではなく、「銀座でブラジル(珈琲)を飲む」が原点

デパートの松屋の裏手、に新しいカフェがある。
お昼前なのに、女性のお客さんがふたり・・・
自分もお客さんの顔をして入り、「アメリカーナください」と注文したら、店主が
「あけましておめでとうございます」と丁寧なご挨拶。「とびきり美味い珈琲を
飲ませる店があると聞いたんで、やってきました」といって笑うと、いつもは、隕石を売るプロ
の店主が、バリスタよろしくエスプレッソマシーンをあやつり、アメリカーナを
見慣れた珈琲カップ(これも、天真庵から嫁いだものだ・笑)に、いれてだしてくれた。
自分が、能登の海岸で開眼した炭火珈琲が銀座の一等地の怪しげな?カフェで
なってなっているのは、なんとも不思議だけども、ありがたいものだ。

マメリカーナ700円、ドリップ(隕石ドリッパーで一杯づついれる)が800円・・・
並びの、なんやら珈琲というところの珈琲も一杯880円・・・
ブラブラ歩くだけなら、お金がかからないばってん、本来の銀ブラは、1000円近く
かかる。しかも、それに値するような美味い珈琲を飲ませるお店が、少なくなってきた。

すこしお世辞もいれて「ごちそうさま」といって、700円をだそうと思ったら、小銭が
なくて「5000円からお願い」とだそうとしたら、店主が「おつりは、開店祝いですね」と
笑う。「自分が焼いた珈琲に700円をだすのもはじめてばい。」といって、おつりを
しっかりもって、有楽町駅近くの骨董屋まで歩いて、そこの主人に新年の挨拶をして、山の手線と総武線に
のって錦糸町までもどる。ブラブラをいれて、約一時間。お世辞でいったつもりだけど、
隕石カフェのホボブラジルは、なかなかいい線いってるかもなんばん?

「ほぼブラジルの目指す味」

のみ口 ひと口めが すっきり
人肌に さめても まったり
あと口 余韻が 一時間

令和の「銀ブラ」のモデルになってくれれば幸いだ。感謝。