木曜日に能登からかえってきた。
高速道路では「明日は大雪になる予報です。冬用タイヤやチェーン
の装備を御願いします」と電子掲示板。車のナビも同じようなメッセージ。
最近のナビはおしゃべり。渋滞情報のほか、工事規制や、道先案内人
みたいに、「どこどこパーキング何分かかる」とか・・・饒舌すぎて、ゆっくり
音楽を聴くこともできない。慣れると、そんなおしゃべりが聞こえないのが寂しくなる?
と車やさんはいったけど・・・
セルフレジで、もたもたしていると「お金を投入してください」と、まるで万引きでもするかのような声
で急き立てられることしばし。反射的に「わかってるわ、きさん・・」とか声をあがたりするので、筆子さん
はぼくといっしょに買い物にはいなないのが、我が家の慣習になりつつある。
昨日は朝はやくから焙煎。途中、できあがった珈琲豆を木の風呂桶に入れて、ふーふー
とチャフを飛ばしていたら、懐かしいばあちゃんが歩いてきた。
近所のマンションで、看板も名前もないけど、自宅をカフェのように開放して、近所の独居老人や
認知の人たちを世話しているスーパーばあちゃん。
福井の兄やんが、末期がんで、先月中ごろから帰省していた。「兄は先月末に召されたわ。
寂しくなったわよ。北陸に大雪の予報がでたので、昨日帰ってきて、これから美容院」
とこと。「帰りによって」というと、「だって仕込み忙しいでしょ?」と気遣かってくれる。
「コーヒしかないけど、一杯ごちそうするわ」といったら、ニコッと笑って、1時間後に
べっぴんさんになって、お店に入ってきた。「ひさしぶりのほぼブラジル、美味しいわ。
能登もそうだけど、北陸には美味しい珈琲を飲ませる店がすくないので、やったらいかが?」
といって笑った。「いやニューヨークかシアトルに出店しようかと思っとるの」と返すと、
「横文字の名前にするの?」と質問されたので「フタバってどうやろか?フタバのホボブラジル・・」
しばらく沈黙があって・・「若いって、いいわね」だって。ぼくももう65歳。フタバよりカレハ?
コロナ渦で、東京から田舎に帰る、というのは、いかなる事情があっても、これまでとは
勝手が違うことが多い。身内であっても、病院や施設には、いれてくれないし、親戚の家
といっても、これまでのように気軽に泊めてもらうには、すこし遠慮したくなる気持ちになる。
新しいなウィルスも、水際作戦を笑うように、どうどうと入りこんでいるようだし、今年
二年ぶりに帰省する人たちも、いつもとはちょっと違う心境をかばんにいれて帰る、そんな感じだと思う。
今日は冷え込んだので、この冬はじめてペレットストーブをつけた。
昭和20年の建築物なので、アルミサッシではなく、木の窓枠がはめてあり、そのままだと
すき間風ですーすーすーな状態。いつもは、そこに養生テープを貼って冬をしのいだ。
ばってん、コロナがこられたので、昨年から、寒気の換気に冬も、すーすーすーのままだ。
昨日は、そんな中で、能登珪藻土七輪で、炭火焙煎をしていたら、もくもくサロンと化して、
東京ガスが設置した警報機が、ウーウー鳴った後に、「空気が汚れています。ご注意ください」
とデジタル声で3度くらい、おらんだ。(おらぶ・・雄叫び?九州弁?)
こちらが、おらぼーごた(おらにたい気分)ある。
「ガスは使っとらんばい。炭火で焼いとると~」・・・なかなかナビとか、スマホとか、
デジタルもんについていけてない今日このごろ・・ 感謝。