金沢カレーといえば・・

やっぱり、ゴリラの看板のあるゴーゴーカレーがいのいちばんにあがる人が多いと思う。
関係ないけど、うちの炭火珈琲は、創業以来「ほぼぶらじる」である。
もしも石川県で、喫茶店をやる日がきたら、かんばんに「ボボブラジル」を掲げようか?
などと思うことがある。往年の悪役でありながら、日本人になぜか人気が高かったプロレスラーを
知る人も少なくなってきたが・・・ネットで「ボボブラジル」を検索すると昭和の名レスラーの写真がでる。

上池袋に天真庵があったころは、みんなJR板橋駅でおりて、桜並木のある通りを歩きながらやってきた。
その板橋駅に、ある時ホテルができた。天真庵で個展をやる人で京都や金沢とかの人は、それまでは
大塚界隈のホテルに長逗留していたが、近くにホテルができたので喜んだ。
石川県発症の「アパホテル」だ。埼京線のホームにたつと、あのモナリザのような微笑みを浮かべた
社長がいつもそこにいるようになった。今は全国区になったけど、あのころはまだ「はじめり」のころ。
いきなりステーキもない時代、「いきなりモナリザ?」
泊まった人たちの話を聞くと、細部に細かな気配りがあって、「これはいけるかもなんばん」なんて思ったものだ。

このホテルには、隠れた(隠れてないな、きっと)金沢カレーがある。
その名もずばり「アパ社長カレー」という。企画担当者は、やはりゴリラマークの味を意識したらしい。
パッケージには、やはり「モナリザの微笑み」がある。CI(コーポレットアイデンティティ)の極みである。
おそるるなかれ、このカレーは700万食を達成した。ホテルのフロントに置いてあるだけで、そんなにでるものでは
ない。やっぱり開発コンセプトや営業戦略が、並外れて一流。しかも、少し肩破れでおもしろい。

昨日は、お仕覆の会やった。縫物女子たちが、酒器を包むお仕覆を一年がかりでつくっている。
お昼に蕎麦をだした後は、いつもの「徘徊散歩」。昨日は合羽橋界隈を徘徊した。
隅田川を渡り、田原町からまわる時と、浅草の六区から入っていく場合がある。昨日は田原町経由。
その道すがらに、アパホテルがある。きのうは立ち寄って「アパ社長カレーをふたつください」
といったら、係の人が手際よくだしてくれて、お会計。ひとつ390円也。その時に「よろしかったら、お部屋の番号を
教えてください」というので、「え、そんなサービスがあるのですか?」と、よこしまなスケベ根性
で話かけたら、マスクを吹き飛ばすくらいに噴出しておられた。

そのこころは
宿泊した人には、QRコードつきのカードがわたされ、そこで「口コミでホテルをほめてくれたひと」
の中で、年間100名さまに、「アパ社長カレー」5個をお送りしています、とのこと。
一個390円のカレーだけど、その中にはいろんな食材のスパイスのほかに、「これからの時代のありよう」
のヒントがいっぱいつまっている。全国の郵便局でも買えるようになっているみたい。

ちなみに、ぼくの一押しの「金沢カレー」は、西田幾多郎記念哲学館にいく時に立ち寄る
「こいのぼり食堂」。ときどき無性に食べたくなる。ここのシェフも宇宙人みたいな人である。