ぐらり下町徘徊日誌

昨日の夜、もう寝ていたけど、グラリと大揺れがあった。
昨年の春は、能登地震の余震とみられる揺れを能登の家で体験した。震度6弱。
昨日は震度4だった。311の余震らしい。この3月で10年になるのに、その時の余震、
というので、やっぱり自然というのは、畏怖の念でつきあうことが肝要か。威風堂々とはいかない。

昨日の夕方は新人の女子そばもんが蕎麦打ち教室に入門してきた。だからカウンターで味噌作り
をしながら、奥で蕎麦打ちをやった。常連の小学校2年生の男の子が「今日は先生がふたりいる」
といって、リンゴジュースを飲んでいた。なるほど、味噌の先生、蕎麦の先生か・・

蕎麦の新人さんは、先週はじめて天真庵にきて、蕎麦を手繰り、ホボブラジルを飲みほし、
「蕎麦打ちを習いたい」といった。口数が少なく、今流行りの「田舎暮らし」的な生活をしている人
だろう、と直感した。蕎麦の水回しを終え、「菊練り」になった時、菊のようにはならない(新人はまずならない)
けど、蕎麦粉がずんずん、しなやかになっていく不思議な技をもっておられる。昨年末の「年越しそばを自分で打つ」に
きた新人が、そばを30分で打ち終えた時と同じ感じがした。その人はイタリアンのシェフで、毎日パスタを自分でこねていた。
昨日の女子に聞くと、「山梨で10年ほど自給自足みたいな生活をしていたので、ほうとう(うどん)をよくつくっていた」
とこと。「ほうとう(うどん)では毎日というわけにはいかないけど、そばが打てれば自給自足により近づける、と思って
入門しました」とのこと。なかなかの達人である。

今朝、携帯に「地震大丈夫でしたメール」がふたつ。ひとつは能登のジャムやさん。珠洲も揺れたらしい。
もうひとつは、「おかまのMくん」。10月から、引っ越し中。自転車をひいて5分(本を100冊づつ自転車に積んで)
の新しい長屋に毎日ありさんよろしく運んでいる。
東京の下町の長屋の「ミニマムな暮らし」の実践者。蔵書が一万冊くらいある(家財道具のほとんどがそれだけど)、のが
「持たない生活」かどうか、定義が難しいが・・・

ちょうど彼が品川からこちらへ引っ越してきた時、冷蔵庫や本棚、無垢材でできてテーブルと椅子4客、をあげた。
「古本屋カフェをやる」というのが目的だったので、必需品だと思って・・・
「うまれてから、冷蔵庫なんか使ったことがないから、使い方がわからないわ」と真顔で言われた。
「コンセントにさすだけや」と説明したけど、それからこっと、10年間、一度も使われなかったらしい。
エアコンはもとより、ガスも契約していない(ガスコンロで土鍋生活)し、洗濯機もテレビもない。確かに、狭い部屋に、
「冷蔵庫」「洗濯機」など白物家電家電をおくだけで、生活スペースは狭くなる。都会では、
歩いてすぐそこに「コンビニ」や「コインランドリー」があるので、それを「自分ちの冷蔵庫」、「自分ちの洗濯機」
と思えば、なんの不足もない。自分ちのお風呂に入っている時に、ヒートショックで死ぬ人が年間2万人。
コロナや交通事故死より多いし、自殺する人と同じくらいいるのが現実。ならば、近くの銭湯にいって、裸の付き合いをし、
帰りにカフェや居酒屋に立ち寄って、ビールを飲む、ほうが安全でエコで健康的なこと、自明の理であ~る。

シンコロのおかげで、私たちの毎日の暮らしや、これから、が大きく変わってきた。
せっかくそんなチャンスにめぐりあったのだから、おおいに楽しみながら、転換するのも一考だ。
くれぐれも、ストレスで癲癇にならないように。「今ここ」を楽しまないとね。   感謝。

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