一粒万倍日

何日か前の朝日新聞の朝刊に、能登の「コスモアイル羽咋(はくい)」のことが
大きく紹介されていた。高野 誠鮮(たかの じょうせん)さんが、公務員の時に、
村おこしをされたものだ。限界集落の過疎の村で、予算0から立ち上げ、
今では、UFOのグッズや、サンダーくんという宇宙人のユルキャラなどが町中で発見され、
バスやトヨタの販売店の看板もロケットだったり、予備知識がなく訪れた旅人は「UFOに拉致された?」
と錯覚するような、そんな街である。高野さんは今は、日蓮宗のお坊様として活躍されている。縁あって
昨年の春にお寺に高野さんを訪ね、不思議な宇宙の話などをさせてもろうた。能登の家からも近いので、
ときどき「コスモアイル羽咋」に遊びにいく。年間5万人以上がくるホットスポット。

水曜日・木曜日も、味噌作りのため、いろいろな人たちと、「一年ぶり」の邂逅の毎日。
「激動の2020年の物語」がその人のぶんだけあって、脳の中にいろんなものが共有された。
ここでは書けへんけど、やっぱり「大変な時代」を迎えているようだ。
だれが考えても「オリンピック」とか「GOTOなんじゃら」なんて話をしている時ではなさそうだ。

緊急事態宣言も延長される感じになってきた。そんな「巣ごもり時代」に、味噌はそれぞれの家庭で
存在価値の幅を利かし始め、3月5日までは、毎日「菌活女子」たちが、せっせと汗をかきかきチーパッパ
で、寒仕込みをしにこられる予定だ。さすがに名古屋とか大阪からやってきてた人たちは、今年はお休み、
だったり、まるなげ(こちらで作って発送)だったりするけど、全体の仕込み数は、昨年と同じくらいになった。
これもまた「時代」なのかもなんばん。

昨日は少し雪が降っていたけど、ある元気な菌活女子が自転車できた。大森から。
ストーブの横で雨具を乾かしながら、大分の大豆を仕込み、約4kの成果物をカバンに入れ、
また雨の中を片道一時間半を帰っていかれた。帰り際に「うめ星をください。」といって、一個
買っていかれた。うれしそうにポケットに入れ「今日は一粒万倍日なので、この日に隕石グッズを買うと、
効果がすごいんです」とのこと。
いつものように、「隕石効果で一億円以上たまったら、新聞紙に200万くらい包んで、お礼返しにきてね」
というと、「いえ、500万にしてください」と笑った。担当大臣が業界団体からもらう賄賂に比べたら、
笑えて、健康的なジョークである。

ネットで検索したら今月31日(日曜日)も、「一粒万倍日」らしい。
ぼくも社員割引で「能登ジェラトン(隕石グッズ)」をひとつ買ってみようかしらん。
禅の言葉に「粒々皆辛苦」というのがある。お米の一粒一粒、おそばの一粒一粒、隕石の一粒一粒・・・
この世に生きとし生けるものには「命」があって、毎日毎日ことこつこつこつと「今ここ」を
懸命に生きている。感謝。