20年以上前に、輪島の朝市にいってからこっち、朝市にいったことがない。
能登に移住希望の梅林ガールスちゃんたちと、輪島の古民家を見に行く。黒島地区という、昔
北前船で、儲けた人たちが住んでいる(いた?)集落。今は昔、と、古色蒼然たる「あて」(能登ひば)
でつくった家が風雪に耐えながら、新しい住民を待っている、そんな風情だ。たぶん、明治・昭和・平成・令和を、まんま生きている。
近所のおじいちゃんが散歩していた。毎日、「じんのびの湯」までの海岸線を毎日40分ほど散歩するのが日課らしい。
「このへんは、暮らしやすいですか?」と問うと、「公害もないし、海も山も空気もきれいで、とても暮らしやすい」といって、笑った。
外浦という、こっちがしの海岸は、岩のごつごつした景色と、海水浴場みたいな遠浅な海とが、交互しながら、風光明媚な景色をつくっている。
「義経の隠し船」「ヤセの断崖」・・・悲しい物語が似合う、厳しい自然が残っている。
その足で、久しぶりに、輪島の朝市にいってみた。海外からのお客さんはまだ帰ってこず、GOTOなんやらの在日日本人がパラパラいるだけだ。
浅草や京都と同じように、インバウンドに頼りすぎた、頼りなさ、危うさがある。あんき(楽な道を選ぶと、きっとリバウンドがくる。)
昼ごはんは、もどって、門前の「手仕事や」さんで、そばを食べた。ここは、「豆腐屋さんがそばやになった」風で、アテの葉っぱにのせる
そばも美味いけど、豆腐も美味い。門前とは、総持寺の門前で、界隈は禅の街。今年は、総持寺ができて700年の節目を迎える。
地味なお店だけど、蕎麦も豆腐も滋味に満ちている。「典座教訓」の世界。
今日の朝は、梅林ガールズたちに、「タコ釣り」を伝授する予定やったけど、みんな昨日、飲みすぎて、
寝坊。6時の「さざえさん」が聞こえてきても、すやすやと眠っていた。
昨日の夕餉、蕎麦豆腐とバナナのあえたん。さざえのつぼ焼き。ふぐの卵巣の糠つけ。能登のタコでたこ焼き・・で、地酒の亀泉・・・
で、パジャマパーティーをやっていたら、近所の漁師さんが「ふくらぎ」(ぶりの若魚)をもってきてくれた。
さっそく、さばいて、酒肴にしたら、メートルが急上昇。5人で二升酒。
朝7時のニュースを聞きながら、お茶を飲んでいたら、ぼちぼち女子たちが起きてきたので、これから、朝市で買った
かますの一夜干しなどを焼いて、朝餉。土鍋で炊いたごはんが美味い!
これから、女子たちを空港におくっていく。
輪島の黒島地区は、船が中心の時代に栄え、今は陸の孤島になった感がある。でも「ひとりのえらい人」が生まれた土地、
一度栄えた土地には、精神的文化力の土着霊みたいなものが残っている。「どこかに移住したい」
と思っている人は、一度たずねてきてほしいところだ。潮騒の中に「ここにおいで」という声が聞こえてくるかもなんばん。
能登はやさしや 土までも。。。。。。。