明日でこの星が終わる、という日がきたら・・

日本海側をゆっくり北前船のように走りながら、
2日かけて、さっき九州から能登に到着。この道は果てしなく遠いけど、たぶん
車の旅では、一番大好きなコース。先人が命がけで文化や物資を運んだ道をいろいろ「哲」しながら走った。

福井で、焼き鯖鮨を買い、志賀町のスーパーで、いつものようにタコ焼きを買い、
1日目の今日は、窓をあけひろげ、空気を浄化して、即飲み開始。タコ焼きには、ハイボールが似合う。
音楽はピアニストのウォンさんの「海より遠く」を聴きながら、雲仙の「蕎麦会」の余韻に浸っている。

旅先の温泉につかる。見知らぬ地元の方が「どちらから きんしゃったと?」と聞く。
「東京です」と答えるのに躊躇し、「ムナカタです」とか「フクオカです」とか、いう。
なんか、とても複雑な心境。(ぼくは、天と地の間、どこもみな「こころのふるさと」だと思っておりまする)
蕎麦会も、「東京の天真庵の庵主がやってくる」とアナウンスすると、立場上微妙なかたがたもいて、ドタキャンもいたみたい。
当然といえば、当然。でも、「熱心な未来のそばもん」もあまたこられ、ほんなこつ、これまでの蕎麦会で
「一番」のアンフォゲッタブルな会になった。今回キャンセルせんといけなっか人もありがとう。次回またきっとやりまする。
声をかけてくれた島原の人たち(詳しくは書れんのが、くやしいばってん)、ほんとうにありがとう。

はじめて触れ合う人たちがほとんどやったけど、自分でつくった蕎麦を福岡までいって製粉してもってきてくれたおじいちゃん、
水を衣笠山?までいって汲んできてくれた人、東京から移住して自然農をやっている(前回、廃校になった小学校の蕎麦会にもきてくれた)人が、
自作の「タバスコ」と、「帰りの道中でどうぞ」と、黒にんにくをくれた。普段はピザは食べないけど、ときどき「大地宅配」のピザを
食べるとき、そのタバスコをかけると、ワインが一本空になる。そんな話をしたら反対に「ありがとうございます」と頭を下げられた。
有名な老舗旅館の料理人さんたちも、器を用意してくれたり、天ぷららそば前の酒肴を用意してくれたりしてびっくりした。
お客さんでそばを食べにこられた女性たちが、洗い物も手伝ってくれ、いっしょに泊まって、翌朝みんなで温泉・・
ぼくも九州人のはしくれやけど、島原の人たちのの裏表のない、素直な人間性に感動した。感謝。

雲仙は、100年くらい前は「ハイカラさんの街」やった。今もシンコロのおかげで、鎖国(他府県も移動しにくいので、ある意味、もっと
すごい巣ごもり状態)みたいやけど、鎖国時代は、長崎の出島のみが、海外と接触していた。だから南蛮の文化や、珈琲文化などに
最初にふれたのは、長崎の芸者さんやった。だから今でも、衣食住のいろんなところに、「ハイカラ」が残っているのです。
カステラやテンプラは、そんな時代の産物で、長崎から北九州への道は「砂糖街道」といわれた。
伊万里焼きや有田焼は世界へ羽ばたいていったし、北前船は、器や海女の文化を北へ運び、帰路に昆布や鮭や
漆器などの文化をお土産にして、お互いが繁栄し、「ゆたかさ」を共に育んだ。これを「共育」という。
煎茶も盛んやった。買茶翁も、煎茶を長崎で習った。トランプみたいなアホな大統領や軍の先輩らが、原爆を落とし
たので、そのあたりの貴重な資料がみな灰になった。地縛霊に、煎茶好みの文人の命を感じるこの街にきて、
時々蕎麦を売ったり、みなで煎茶を楽しんだりするのが楽しみだ。

宿まで用意してもらい、翌朝、「雲の仙人」に出会いそうな温泉町をひとりで徘徊し、ひぐらしのカナカナ・・と鳴く音
の道程を散策。30年前に普賢岳が爆発して大きな被害があったけど、「これから」というスポットライトがあたる場所やと思った。
「湯布院」とか「黒川」とか・・・いろんな観光スポットがあるけど、全国区のそのへんは、どこか「作為」に近いもてなしという演出が
ですぎているような気がする。島原までいくと、無為自然に近い、肩肘はらずに、裸になって温泉にじゃぽんとつかれる気分になれる。
「なんやら トラベル?」とかいう、半端な応援キャンペーンが始まるけど、東京の人は、のけもんになったみたいね。
でも、値引きなしチケットで島原にいってみると、「倍がえし」以上の特権があるばい、ほんなこつ。

これから、いつ終息するともわからない、新しい人生をみんなで歩いていくことになる。
「人生二度なし」と思っていたけど、ある意味、二度目を皆で経験できそうなウキウキする高揚感もどこかにある。
そして、「明日で地球が終わり」という日が、生きている間に迎えたら、各自で「その一日の過ごし方」をイメージするのも
楽しいことじゃない・・・?
ぼくは、そんな日がきたら、また雲仙で先日やった「蕎麦会」をやり、その後、煎茶で「お茶会」をやり、
〆は「雲」のような素敵な空間で、気のおけない仲間たちと酒を酌み交わし、翌朝、共同湯の「新湯」で
今回みたいに、男女いっしょにくりだし、お風呂で談論風発・・・・そんな一日にしたい!天恩感謝。