銀ブラに花が咲く

水曜日に、シネスイッチ銀座にいって、「花のあとさき」を観た。
ほんとうは前の週に観に行く予定だったのが、冷蔵庫の調子が悪くなり、
新しい冷蔵庫を買い、それを新旧交換させるのが、想像以上に大変で
2日を要した。文明の利器に頼りすぎる生活を反省。

「花のあとさき」も5月から放映の予定だったのが、シンコロ騒ぎで、6月からとあいなった。
18年にわたって、NHKが記録したドキュメンタリー映画で、ちょうど、シンコロ新時代の今、見ごろ
というか、いろいろ考えさせられる映画だった。家族で観られる、といいね。マスクと別に涙ふくハンカチが必要。
自粛が晴れた、とはいえ、まだ、銀ブラするような陽気
な気分になれず、4丁目の交差点の人もまばらで、デパートやお店の店員さんたちも、機動隊がするような
フェイスなんじゃらをかぶりながらお客さんと接しておられる。映画館も、椅子をひとつまたぎながら、半分で満席
の状態でソーシャルディスタンス、とかいうのを守っての上映だ。

少し時間があったので、煉瓦亭にいって、チキンカツレツをつまみにビールを飲む。(この店にくると、そのオーダーしか頼んだことがない)
壁に歌舞伎のポスターが貼ってあるけど、しばらく歌舞伎座も緞帳が下がったままで、橋之助(今もそう?芝翫か)の顔がオモヤツレしているように見えた。

映画が終わった後に、銀ブラ・・・
まつやの7階の福光屋さんのカフェ?にいって、福光屋の日本酒を飲む。石川の酒蔵さん。
器が展示されている一角にあるので、銀座に来るときは、必ず器をチラミしながら、カフェのカウンターで
お酒3種盛りを頼む。陶芸家で「これからどんな器をつくろうかしら?」なんて悩んでいたら、そこで酒飲むと、
アイデアが浮かんでくる、かもなんばん?とくに酒器は、酒を飲みながら上から降りてくるのを待つ、にかぎる。

「花のあとさき」・・・ムツばあさんの歩いた道。
秩父の山間の限界集落みたいなところで暮らす老夫婦が、畑ができなくなり、そのまま
放置するには忍びないと、そこに花を手向け、自分たちの終わり支度と歩調をあわせるように、自然に戻していく、という
そんなお話。プロデューサの伊藤さんが、うちの常連さんの弟さんであったという偶然から、お店にきていただいたこともあり、
この映画のことを知った。こんな時期なので、「みてみて」と声高に叫べないけど、九州弁でいう、「おらぼーごたる」(叫びたくなる)

秩父には、よく蕎麦を手繰りにいく。「両神温泉」でひとっぷろ浴び、それから山奥にある蕎麦屋で
「武甲」を飲みながら、蕎麦を手繰る。そのお店に、おばあちゃんが蕎麦を打っている白黒の写真がある。
なぜだか、そのおばあちゃんの写真が好きで、それを見に、わざわざいく、という感じ。
映画の中で、ムツばあちゃんが、うどんを打つシーンがある。そばやうどんを打つ、というのは、花嫁修業やったんだね。
花嫁になる前から「床上手」っていう子はあまたいるけど、「麺上手」っていう子は少なくなった。
「厨房の技術」よりも「閨房の技術」のほうが、大事な時代?

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