原始的ぶつぶつ交換

緊急事態宣言が、もう少し(少しじゃないかも)伸びそうな気配。
今日から5月で、例年より肌寒かった4月から一気に夏日が続きそうな初日。
今朝は半袖のTシャツでそばを打った。昨日の夕方、そばのお弟子様(正確には明後日3日に入門)からもらった筍を、寸胴に水を入れ、
筍を皮がついたまま縦に包丁で切れ目を入れ、ぬかと唐辛子を入れて一時間ゆでた。
近くに住んでいて、いつもなにかと「これ田舎からきたんで・・」とか「パンを焼いたので・・」
とかいう人たちに、昨日はお裾分けした。下町の「原始的ぶつぶつ交換」

水曜日、朝から焙煎をしていたら、おかまのMくんがはいってきた。
前日、めずらしく営業中に珈琲を飲みにきた。年に3度、はないけど2度くらいはある。
彼のまわりもアーティストが多いので、イベントの中止や収入が激減している人が多いみたい。
ぼくらの飲食業も、全体的には23兆とも30兆円ともいわれる業界だが、個人事業主や零細企業
がほとんどで、今回の緊急事態宣言が長引けば、半分以上は倒産や廃業の憂き目にあうだろう。
Mくんがくるときは、だいたい掛け軸や、本や、もらいもので自分では調理ができないもの・・・
をもってくる。お返しに、こちらも本(店の棚に並んでいるものを、自分で選んでもっていく)とか、
到来ものの食べ物なとと、「原始的ぶつぶつ交換」することが多い。

火曜日は本のお返しに、「無限シードル」をもっていってもらった。冷蔵庫もエアコンもないミニマリスト
みたいな生活者であり、一滴の酒を飲まないMに「シードル?」と思ったけど、これを機に少し
飲めるようになるのもおもしろい、と思ってあげた。
水曜日の朝にメールがきた。「シュー、という音を期待してあけたら、うんでもしんでもない」とこと。
「もしかして、冷蔵庫買った?」と聞くと、NO。「ばい菌とかいろんな菌がたくさんいそうな部屋でおかしいな・・?」
とかいいながら、もう一度無限シードルのお裾分け。夕方「今回の実験は成功しました。シューと音がして、シードルになりました」
とのこと。律儀に100%リンゴジュースを一本「お騒がせ料・・」といって置いていった。

能登の家にいく時は、珈琲豆のあまり、や、そばのあまり、や、チーズケーキのあまりをもっていく。
留守中に畑の雑草をとってくれたり、こないだは古いテレビのアンテナが風で折れたのをわざわざお隣のじいちゃんがはしごで
高い屋根にのぼり、撤去してくれ、もえないゴミの日にだしてくれた。そんなお礼に、「あまりものですが・・」
といいながらもっていくと、「これは滞在中に食べて」といって、畑でつくった季節の野菜や、海でとれた魚や海藻を
くださる。おかげで、10日間の「巣ごもり中」は、まったく食費がかからない。今回は能登も外出自粛だったので、
一円も使わなかった。(それも経済がまわらないので、帰りには、氷見の「すしのや」にいって鮨をつまんだ。
べつに吝嗇ではないけど、ぼくは、イワシか鯵かタコ、くらいを食べたら、かんぴょう巻でOK牧場だし、アルコールを
飲めないので、こないだはふたりで2500円くらいやった。もっとも、能登町の津久司鮨のランチは550円とか
750円で地魚のにぎりが喰える・・金沢の雑誌に紹介された・・でもその雑誌社は先月倒産)

世界中が「とまって」、もしかしたら、お金の価値とか、人びとの生き方なんかがかわってくると思う。
うちではずっと禁止だけど、食べ物をみたらパブロフの犬よろしくスマホでパチッと映して喜んで
いるようなアホな習慣はなくなってしまうだろう。
世界大恐慌の時みたいにハイパーなインフレも経験するかも。お米3kが5万円とかなったら、
それとぶつぶつ交換できるもんでやりとりする・・・そんなことが大事になるかもね。
貯金なんかもっていても紙屑になる。今のうちに、お金に代わる、とか意識せずに、身のまわりにずっと
おいておきたいモノや、将来やりたいうコトを習得するために使う時ではなかろうか・・?
でも、問題は今日の雨、傘がない、金がない・・・・しばらくどの家も会社も自治体も国も、資金繰りが大変
やろうけど、その先には、きっと「明るい未来」が待っているように思う。感謝。