イタコは世界的なチャネラー

昨日は、三輪福さんが踊る、というので、輪島の総持寺の門前の
会場にいった。地元の子供たちのダンサーたちの「クリスマスイベント」
があって、その特別ゲストで三輪福さんが子供ダンサーたちの前で、きつね
のお面をかぶって見事な舞を披露した。最初に子供ダンサーたちが、伸びしろの
ある素敵なダンスを踊ってくれた。ダウン症のこどももふたりまじっていた。
ワンテンポずれる感はあったけど、それも和音みたいに心地いい。お愛嬌。
おでんもそうやけど、いろいろな特徴ある「個」が一緒くたになっているのが「調和」。

紙芝居は、地元出身のMさん。能登の美術館ができたばかりの時、遊びにきてくれた縁で
仲よくさせてもろうている。チェロを弾き、子供たちの前で自作の紙芝居をしながら、
歌ったり、語ったりする。子供たちの目も、みんなキラキラと輝いていた。

ビンゴゲームをしたあと、お開き。三輪福さん、Mさんもうちの車にのって、
金沢の「金沢市民芸術村」に向かう。金沢はいまだに、利ちゃん、こと、前田利家の
霊が生きているような街で、茶はもとより、お花、芸術一般に対して、行政もさることながら
市民レベルの意識が高い。東京23区、とくに墨田区の職員たちは、自腹で一度金沢にくることを
推進したいくらいだ。

ここで、昨日は世界中の「打楽器」のセッションがあった。和太鼓からアフリカのジャンベやトルコ、南米
などの魂をゆさぶる「ルーツ音楽」を堪能した。亥もあと10日余り。亥を名前にした「石坂亥士」(いしざかがいし)
さんがよく三輪福さんと共演する神楽太鼓奏者。舞踏や奉納演奏もよくし、世界を舞台に活躍されている。
彼の母親の故郷が津軽で、幼少のころより、恐山のイタコなどの儀式にふれた影響が「音」の原風景に
なっているようだ。ぼくのまわりには「チャネラー」みたいな人があまたいるけど、イタコは
そのルーツみたいなもんやね。

前にもふれたけど北前船は、九州から日本海側を北海道まで往復し、物資のみならず、人や芸術も
生き生きと、行き来した軌跡が残っている。天草発症の「牛深ハイヤ節」が各地でアレンジされ、お祭りの
囃子や太鼓のリズムも、その地その地に独特の風土とともに根付いていった。
昨日は、そんな歴史をはらわたに染みこまされるような一日やった。帰ってきて空を見たら満天星のまんだら世界。
縁側に座って、自作(5日くらいすると、多作が自作になる?)の呼吸法を25分。遠い世界から「生きされる息」
をちょうだいする境地に浸る。

今日は梅茶翁の梅林の剪定。三輪福さんたちと野良仕事。朝はマイナス3度くらい。でも、もう梅は春の準備。感謝。

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