四国 詩国 四穀・・愛媛産には愛がある

昨日は、砥部焼の近くにあるお世話になりっぱなしの農家さんのMさんを訪ねた。
「もち麦」を中心とした「雑穀」をやっておられ、天真庵のごはんやそばの実雑炊などに使われている。妊婦さんや女性に
圧倒的な支持をいただいている「黒豆茶」、勉強会の時に飲む「麦茶」も、そこのものを開店以来ず~~~
と使っている。今年の二月に味噌作りに使った「黒豆」も、この農家さんのものだ。「四穀」を鮨飯にする天下無敵。

3年前にテレビで「もち麦がすごい!」となって、商店に世界中から「もち麦もどき」が並び、
いまもまだその余波に揺れている感がある。はっきりいって、国産のもち麦は市場の5%に
すぎない。人生そのものが「なんちゃって」という人が多いので、テレビや週刊誌が「もち麦がいい」
となれば、猫も杓子も「もち麦・・・ボリボリ・・」のオンパレード。
その農家(といっても、農業法人で日本でも有数のまじめな人たち)は28年も雨にも負けず頑張っておられる。

事務所にお邪魔したら「愛穀」と揮毫された額が飾ってあった。
四国で「詩国」という詩集をライフワークにしておられた坂村真民さんの字。
「なんで?」と聞いたら「親しくしていた」とのこと。
天真庵には、真民さんが目標にしておられた足利紫山老子の書をときどきかける。
「古松(こしょう)は般若を談ず」という禅語が好きで、紫山老子が101歳の時に書いた軸がある。

少し大ブームが落ち着いてきたから、「もち麦」のことを少し・・・
瀬戸内地方は昔から雨量が少ないので、米ではなく麦を育て食べた。味噌も「麦麹」
が多いのは、そんな気候による。
食生活が変わって日本人が欧米化し、肉も多く食べるようになったので、食物繊維を
採る量が半減以下になり、大腸ガンなど生活習慣病に悩む昨今。
調べてみたら、「もち麦」の繊維質は通常の大麦の1.5倍以上、お米の10倍以上もあり、
便秘やもろもろの成人病に悩む人の救世主のように扱われている。

でもやっぱり「長い時間をかけて悪い生活習慣」を身に着けた人が、にわかに
「いい」といわれるものをとっても、効果は少ない。やっぱり反対に
「長い時間をかけてよい生活習慣」をこころがけたほうがいい。

とくに糖尿病のひとは、朝に食物繊維を多くふくむ豆やもち麦をとる習慣を
つけると、昼に外食しても血糖値があがりにくいらしい。
ようは「朝はごはん(もち麦を2割)と、具だくさんの味噌汁(できたら添加物のない手前味噌)と漬物」
にもどすのが肝要だ、ちゅうことやね。

昨日の昼は四国四十八か所の四十八番札所を参拝し、そこの前の「うどんや」さん
できつねうどんを食べた。おもわず「うまい!」と叫んだら、そこの親父さんが
真民さんの書を見せてくれた。お客さんが満席状態なのに・・・?
と心配し、まわりのスタッフは「またはじまった・・・」という顔をしていた。でもみんな暖かい顔。
そして別れ際に「これあげる」と、真民さんの揮毫した「念すれば花ひらく」の
色紙をくれた。店の前にも「念ずれば花ひらく」が石碑になっていた。
Mさんも真民さんも行きつけの「うどんや」の真骨頂を見た。

その後、「坂村真民記念館」にいく。
「愛媛産には 愛がある」という書があった。「そのとおり」だと痛感。
ホンモノとそうでないもの  ホンモノには「愛」がある。

「念じても花ひらかないひと」も多い。
でもやっぱり「念じないと」、始めないと、何もおこらない。