イタドリを食べる

今朝は海が凪いでいる。朝まずめ(朝日がでてくる前)に、伝馬船の音で目が覚める。
この集落のおじいちゃんたちが、沖に向かって釣りにでかける音だ。
昨日、隣の隣のトトロみたいなおじいちゃんが、本田のカブにのって港の伝馬船に
いこうとしていた。「ちわっす」と挨拶したら「きとんね。ゆっくり春を楽しんでね。
あんたも舟の免許とって伝馬船で釣りしたらいいが~」(ちょとイントネーションはまだまねできないけど、語尾を延ばす、
のが能登弁の特徴)
とのたまわれた。「ほんなこつね。(これは九州弁か?この界隈の言葉は九州弁と似ているところも、ままある)
そのうちとるわ」と答えた。ヘミングウェイよろしく、老後(もう老後やけど)は釣り三昧というのもいい。

昨日は「ねずみ大根」の種を蒔いた。先月は青森の辛味大根の種。今回は長野の「ねずみ大根」という辛味大根。
東京に住んでいた時は意識してなかったけど、スーパーとかホームセンターで売っている「種」
は、ほとんどが海外産や。また今回変な法案が通った。簡単にいうと「外国資本が日本の野菜の種の権利を奪いやすくなった」。
「UFOとローマ法王、そして自然栽培」(高野誠鮮著)を引用させてもれうと、
「1901年にアメリカで設立されたモンサルトという会社があります。ベトナム戦争で使われた枯葉剤を製造した会社
で、F1種と呼ばれる遺伝子組み換えの種を開発し、種苗の分野では世界の90%のシェアを誇っています」

戦争が好きな国では、武器だけでなく、枯葉剤などの実験をし、遺伝子の組み換えでF1(これ、戦闘機の名前では
ないよ。一代限り、つまり種をつくらない品種。ゆえに種を持っているモンサルトちゅう会社が儲かる仕組みになっとるの。
売国奴、というか、ひどい話やけど、もうすでにそんな状況である。
「安くて、おいしそう・・・ボリボリ」とか、ボ^-としている場合じゃないと思う。命は口から入っていくでしょ。
そこに入れるものを、もっと消費者であるわれわれひとりひとりが、ちゃんと「選ぶ」ことをしないと、いつまでたっても
アメリカの植民地のまんま。

いま日本産の「大豆」を、たらいの中に「うめ星」をいれて発芽させている。昨日また「マツキヨ師匠」から電話があり、
「発芽するまで48時間まってくだい。「うめ星」効果ではやくでてきてもガマンしてね。種と種の距離は30cm、畝の
長さは80cmね」と丁寧に教えてくれた。
最後に「収穫までに120日。それまでに少しは枝豆として、ビールのつまみにしてください」とのこと。
彼はぼくの「そばのお弟子様」であるが、反対にぼくの「畑の師匠」でもある。大豆を蒔く予定の畑には、彼に
引っ越し祝いにもらった「土壌活性剤」をまいてある。人間の腸内細菌を活性化する研究をしている人が開発したすぐれもの。
これを土壌にいれると、どじょうはいないけど、ミミズとか土壌をよくしてくれる生物が多くなるような気がする。
枯葉剤や農薬の実験はしないけど、家の畑で、もろもろの実験をやっている。

東京から能登にきて暮らしていると、「生きる」という感覚が鋭敏になるような気がする。
畑のまわりに「イタドリ」がいっぱい。鳥じゃないよ。植物。
茎が空洞になっているけど、やわらかいのをとって、ゆで、ごま油でさっといためて、醤油と酒で
味をつけると春の味がする。朝散歩するといたるところに、イタドリが自生している。能登は「まいもん(うまいもん)の宝庫」や。感謝。

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