艀(はしけ)が水面(みなも)を走る

昨日は「友の遠方より」で、うれしい一日だった。
朝漁港ではかなぶりに終わったけど、季節の山菜などが台所にあり、
東京からそばの「かえし」や「甘醤油」などを持ってきていたので、
地産地消の酒肴を並べることができた。

11時に近くにある「棚田」のビュースポットで待ち合わせ。その前に徒歩20分
のところにある「よろずや」さんにて、「能登ワイン」を買った。
歩きながらショートメールをしている間に、軽トラにのったじいちゃんたち5人に話しかけられた。
わざわざ止まって、「今、きとるんね」とか「やっと暖かくなったんで楽しんでいって」とかいわれて。
こちらも少しずつ、「顔」と「名前」を覚えてきた。でもすれ違う人は「東京から移り住んできた奇人変人」
として、気さくに話かけてこられる。またまた一楽。

能登ワインはまだあまり知られていないが、能登も「人生フルーツ」よろしく、ぶどうやブルーベリーなどがおいしい。
11時に東京から車できた友人が到着。
客人の奥方が佐賀出身なので、昨日は「青花」のワインブラスを使ってブルーベリーワインで乾杯。

その後珠洲のホテルのチェックインがあるので、2時くらいを予定していた様子だが、談論風発が
止まらず、機関銃トークが続き、ここを出発したのが4時過ぎだった。
〆にお抹茶を入れた。お茶うけの「松尾栗園」の栗菓子は筆舌を超えたうまさだった。能登栗もうまい!
友の遠方より来る またうれしからずや、だ。

今朝は久しぶりに海が凪いでいる。こんな日は、男たちが艀(はしけ)、伝馬船(てんません)ともいうが、
木製のボートにエンジンがついてる子船を沖に走らせる音で目が覚める。ビニールゴミをだしにいったら、
砂浜においてある舟が空っぽだった。おばあちゃんたちは、岩場で義馬藻(ぎばさ)や、わかめをとっている。
田圃をやる男たちは、トラクターを運転しながら自分の田圃をめざす。山に入ると、山菜のオンパレード。
9割くらいが後期高齢者を超えた人たちだけど、自然によりそいながら、自然のめぐみをいただいている自然な姿
には、いつも感心させれる。「ほんとうのゆたかさ」とは、こんな暮らしではなかろうか。都会ではむずかしいが・・

今日は東京に向かう日なので、また徒歩片道20分の「よろずや」にいき、四方山話をして、パンと野菜ジュースを
買って今かえってきた。これから寄り道をしながら東京を目指す。
人は実相世界(あの世)と現象世界(この世)を往復しながら、修行をするらしい。
東京と能登の「二股暮らし」も、そのような転生輪廻を生きていながら体感する、そんな風情がある。感謝。