京おんなが九条ネギをぶらさげてやってきた。

いつものように、留守中いろいろお世話になっているご近所さまへ、「ほぼぶらじる」と「そば」
を届けた。原始的ぶつぶつ交換よろしく、自作の無農薬の大根、菜の花、ぎざぎざ菜っ葉をいただく。
ぎざぎざしたんは能登特産の「中島菜」。からし菜のように、少しえぐみと辛味があって、ふきのとう
みたいに「春の味」がする。単なる「ぶつぶつ交換」ではなく、そこの食文化や食の歴まで学ぶことができて
ありがたい。さっそく「ぎざぎざ」を卵とじにした。能登の竹葉のぬる燗を囲炉裏でつけたら、縄文時代から
能登に住んでいるような気分になった。

昨日は「三輪福」さんが、素敵な美人の友達を連れて「寒山拾得美術館」つまり、ここに遊びにきてくれた。
土産が「三輪そうめん」と、九条ネギの苗と雪割草。京おんなならでは・・・ならは「奈良」とかける。(三輪そうめん)。
ちょうど能登は雪がふっていた。春を告げるような雪割草も、この界隈の春の花。今朝は天気予報に反して
晴れだったので、家の隣の畑を耕して、九条ねぎを植え、日陰に雪割草を植えた。

それから車を一時間金沢方面に走らせ、とある「そばや」へ。
齢(よわい)80を過ぎたじいちゃんがひとりで、石臼でそばをひき、矍鑠たる蕎麦を出すお店へ・・
禅僧のそば、いやこれは「奇跡のそば」かもしれん。「どうですか?」と感想を問われたけど、ただ
「合掌」するのみ。お客さんがいるのに、玄関までおくってもらった。
筆舌が及ばない「一期一会」の一刻そばやった。

テーブルの上に紹介されている雑誌を読むと、「蕎麦打ち20年」とあった。つまり還暦過ぎに
はじめて、生涯うつ覚悟らしい。何かを「きめた」人の生き方は、ぶれるところがなく、美しい。
お店を紹介したいけど、これ以上流行ると、おじいちゃんの春夏秋冬のめぐりが、なんこか減りそうなので、勘弁!感謝。