そんな名前の居酒屋が博多にあった。今もあるかもしれないけど・・
ここんところ、春の陽気のような天気だったり、真冬の寒さだったりするので、
そんなことをふと思い出した。博多のIT企業と提携していた時代のことなので
もう30年以上前の話。確かビールを頼むと、尿瓶(しびん)に入ってきた。
少し行き過ぎの感もあったけど、時代的に「あそび」や「ゆとり」があった時代。今は昔だ。
合羽橋あたりの包丁やにいくと、外国人であふれている。「サントク」を所望する人が
いろいろな国からやってくる。文化包丁ともいうけど、刺身、野菜、肉どれでもOKという三徳包丁。
銀座の骨董屋あたりにいくと、少し品のいい中国人たちが、魯山人なんかを探している光景をよく見る。
彼らはお抹茶の道具にはあまり興味をしめさないけど、煎茶道具、しかも「渡り」といって、中国から
日本に渡ってきた道具には目がない。「ふるさとにもどしたい」というのと、「自分のものにしたい」
という気持ちが重なる。黄檗三筆の「隠元」「木庵」「即非」なんの軸は、高級車が買えるくらいの値段で
買われていくようだ。
また日本のものでも「鉄斎」の書なんか人気が高いみたい。また最近は「ニンアミありませんか?」
という外人さんが増えているらしい。京焼の「高橋道八」 初代は、売茶翁、池大雅とも交流があり、
二代目は仁阿弥道八と名乗り、京焼の染付磁器を大成させた。
そのあたりのことを、中国人が興味を持ち始めた。少しバブルははじけそうになってきたけど、
日本人よりも高尚な趣味を持った「文人」みたいなんが、いっぱいいる。
今日は「お仕覆」の日。今年は新人がふたり入門。
こないだ茶道具を整理していたら、「直入先生画道八茶碗」という箱がでてきた。
田能村竹田の弟子の「直入」が、「道八」の茶碗に絵を描いたものだ。
5個の茶碗のひとつひとつにお仕覆が施されている。時代ものなので、それがぼろぼろ
になっているので、今年はこれをやってもらおうと思う。
時代は忙しくなってきたが、朝茶を一服。そんな幸せな一刻はわすれたくないものだ。生きている価値がなくなる。日々是好日。