味噌の寒仕込み

東京は朝から雪がふっている。
今日は一日寒くなりそう。味噌の仕込みにはもってこいだ。

お店のホワイトボードに「古新聞募集」と書いた。味噌つくりの時に最後に甕や
ホーローやタッパーを包むのに必要だから。昨年までは、十間橋通りの朝日新聞の販売店さんが、
毎日必要な部数をくれた。最近は新聞を読む世帯が減り、昨年そのお店が閉店になった。
東京では全世帯の3割くらいしか新聞を読まなくなったらしい。地方は6割くらいは読むらしい。
「つきあい」とか「慣習」もあるだろうけど、なんとなく、「都会の人は忙しく、朝新聞を読む(ゆとり)がない」
のだと思う。新聞や本など活字文化からも乖離された生活が当たり前になっている。
日本人の「精神的文化度」は、自給自足率よりも下降しているのではなかろうか?そのうち日本人がいなくなるかもなんばん。

というわけで、いろいろな古新聞がやってきた。読売・朝日・東京新聞・・・社説や文化欄、政治批評など
各紙に特徴があっておもしろい。政治は「日刊現代」あたりが、一番いいとこついているような気もする。
日刊現代には、風俗のページなどがあっておもしろい。通勤をした経験は皆無だけど、営業や打ち合わせに
いく電車の中では、よく「日刊現代」を読んだ。
高齢化社会らしい記事があった。「60歳をこえたシニアサービス。ヘルス30分無料・・・・」
続けて読むと、「60分2万円。。。60歳以上は30分延長が無料・・・」  感無量のサービス?
あの手この手で、風俗業界も生き残りを図っている様子がうかがえておもしろい。
年増のおばさんが手練手管で、若い子を口説く・・・そんな風俗は今のご時世には見当たらなくなった。
あの手、この手も金しだい?  シニアの逆サービスで、若い子を口説く?そんな元気なじいちゃんがでてきてもおもしろい。

新書の紹介も新聞で久しぶりに読む。先週の読売に一冊気になる本を見つけ、アマゾンで注文。
「京料理人、四百四十年の手間」(岩波書店)
夏目漱石の虞美人草にも登場し、魯山人や徳富蘆花など文人にも愛された店。
著者の園部平八さんは「山ばな 平八茶屋」の二十代当主で、我が立命館大学・空手部出身。
江戸時代は、頼山陽先生も山紫水明処(鴨川べりにある書斎)から歩いて通ったところ。
自分の書斎以上に、比叡の山並みや鴨川の流れが、山紫水明ところだったろうね、きっと。

昨日、宇治に移住した茶の先輩が、上林(かんばやし 宇治茶の老舗)の茶を持参して、
蕎麦を手繰っていかれた。包み紙に「創業450年」とある。平八茶屋も上林も、
信長が安土城をつくったあたりから「手間」を惜しまず、ひとつごと、を続けておられる。

今日も「味噌作り」
こつこつと自分の家の季節の調味料を自分でつくる。昔はあたり前だったことを、あらためてやってみると、
いろんなことがわかる。「手間」というのは、ほんま大事なこちゃね。感謝。