ひょうたん ひさご ふくべ

みな瓢箪のこと。昔から家の中に瓢箪をおくと、魔よけになるといわれてきた。
天真庵の中も、花入れや酒器に「ひさご」をよく使っている。
4人掛けのテーブルのところにもひさごの掛花があり、矢羽すすきを投げ込んでいる。

能登に「ふくべ鍛冶」というのがある。明治41年創業の鍛冶屋さん。さざえやあわび用の道具、
農機具や能登の暮らしで使われる道具を、作りつづけている。「ものつくり」の原点があまたあって、
とても勉強になる。能登にいくことがあれば、ぜひたちよってほしいお店だ。
鍬(くわ)も、男性用と女性用があり、輪島型とか土地によって形状がかわっていたりする。
最近はかっぱ橋や築地の「包丁や」は、外国人に占領されている。「サントク」
というのが、世界共通語になりそうな勢いだ。三徳包丁。魚、野菜、肉なんでもOK牧場、というもの。
日本人がそんなものを知らなくなっているみたい。火鉢に鉄瓶などをのせる台を、「ゴトク」という。
先日台湾からきたお客さんが「あ、ゴトクだ」といった。五徳・・・暖をとる、鉄瓶で湯をわかす、餅をやく、
のりをあぶる、魚や肉をやく、畳の部屋を美しくする・・・・五徳以上の価値がある。

昨年の春、能登の梅茶翁に梅仕事にいった時、ふくべ鍛冶さんに「まきり」を頼んだ。
能登の漁師が、これ一本で、イカ、タコ、カニ、ブリをさばいあたり、船のロープを
切ったりするする道具。注文してから、一年半かかるけど、注文したらわすれたころにできあがる。
先日「できました」と電話があった。
明日から能登なので、できあがったものを受け取りにいってくる。

能登にしばらくいて、九州の実家の本のかたずけにいく。
妹に「にいちゃん、本をどげんすると」とつつかれているので、骨董屋の借金と同じく、
年内にすませようと思う。洋間の床と倉庫の棚がこわれそうなくらいある。
「断捨離」というのが大流行だけど、本はなかなか捨てられないモノだ。21日まで「休み」です。感謝。