薬草園の若者

岐阜の山奥に、織田信長がつくらせていた薬草のふるさと、がある。
春日茶で有名な風光明媚な寒村。そこで薬草を静かに育て研究しているくんがいる。
時々、上京される時に蕎麦を手繰りにこられる。親子以上に世代が違うけど、
ものの見方、生き方、とくに共通の「茶」に関しての話になると、無制限機関銃トークの話
がつきない。

ちょうど昨日は、骨董屋で仕入れてきたばかりの茶器を二階に並べていたので、そんな話から
機関銃を打ち始めた。もともも茶は薬として中国から入ってきた。最初にお茶をもって
こられた栄西禅師の「喫茶養生記」、その名前からして「薬」であり、この字は草を食して楽になる、
という漢字である。

最後は能登の話になった。「あえ」のこと「よばれ」のこと。日本人が大切にしてきた「ほんとうのおもてなし」
の原点が能登にはあまた残っている。「福」という字は、田んぼでとれた収穫物を神棚にお供えする、という象形文字から
きた。そんなあたりまえのことを、いつしか、しなくなり、わすれてしまっていませんでしょうか?

「寒山拾得」(かんざんじゅっとく)という、唐の時代のふたりの奇僧みたいなものを扱ってきて、20年を超えた。
筆をもったほうが寒山。文殊菩薩の化身で、巌の中で生活していた。箒をもったほうが拾得。普賢菩薩の化身。
仏教や禅といっしょに、中国から渡ってきた文化だ。乞食のようなぼろをまとい、粗食でいながら、飄々と
生きたふたりの姿を、禅林や画家たちが好んで表現してきた。そんな線香くさいものをIT企業を経営する傍らであつかい、
こんど能登に、「寒山拾得美術館」(仮称)をつくる準備におわれている。八百万の神が住んでいるような場所で、
どんなことが展開されていくかを考えるとウキウキしてしまう。

今日は「シャンソンのライブ」があるので16時閉店。
明日は日曜日なので16時に閉店。それから「蕎麦打ち大学」&「鮨をにぎる中学」