あかりちゃん

今年の江戸の桜は、どこでもいっせいに咲いたみたいだ。
お店の前に、一本の桜がある。お店ができた時、だれかが
勝手に植えてくれたもので最初は幼児くらいの背丈がったのが、今では
街路樹のように凛とたっていて、春のヒトトキを楽しませてくれる。

火曜日は「書の会」だった。鯖の棒すしがあまりにもうまく、みんな
酩酊して春爛漫な酒席になった。桜咲くころ、桜鯛を料理して客にふるまう、
そんな風流なならわしが茶の世界にはあるらしいが、花より団子、より酒で、
酒肴は、鯛よりも鯖やイワシのほうが好きだ。ゲテモノといわれようが、いいものはいい。
北陸地方には「ゲンゲ」という魚がいる。「雑魚の中の雑魚」で下の下、げんげ・・
不思議なふうたいをしているけど、美味さといったら、鯛よりも上ですたい。
♪げーんげ げんげ・・・  亀楽4代目にそんな歌がある。

寒い季節は朝から大石さんの「星の詩」をずっと聴いていた。彼の作品の中に「夜」とか「星」
とかがテーマになっているのが少ない。星になったセシル(大石学トリオでドラマーだった伝説のジャズマン)
が一枚のCD(ウォーターミラー)をもってきてくれた縁で、毎年大石さんが海の日にライブをやってくれるようになった。
雨の日には雨にふさわしい曲があり、冬の夜には、これまたふさわしい曲がある。

昨日は「おんなかっぽれ」  ひとりがベネズエラにいくことになった。
日本人は昔から「おわかれ」の時には、舟の形をした向付を左向けにして惜別の酒宴をした。
「福岡店支店長で博多にいくばい」という時などは、それにあたる。
反対に「本社の役員として東京にもどってくる」なんていう時は舟を逆にした。「入船」
出戻りの娘を迎える時?親父だけがにやりと微笑みながら入船の独酌か・・
人生にはいろいろな門出がある。ハレたり曇ったり、雨が降ったり・・
さよならだけが人生だ、と書いた詩人がいたが、だけでない。おわりは始まり、でもある。

天真庵のに「あかりちゃん」が・・
能登の志賀町のキャラクター。北前船が、灯台のあかりを頼りに北の
海を航海した。木造の灯台が志賀町にある。日本で最古の灯台。
そんな北の海の崖っぷちに「能登の天真庵」の「あかり」をともす準備に忙しい。
脚下照顧。なにごとも足もとをしっかり照らすことが肝要。  感謝。

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