昨日は二十四節気の「雨水」(うすい) 三寒四温の中で雪から雨になり、
少しづつ春を感じる季節。先日の「満つまめの会」では、そんな自然の運行を
一枚のCDに閉じ込めて、人の波動とこころを整えてくれる三輪福さんの新しいCD
を聴きながらやった。
亀有に伝統芸の「亀学」というのがある。三味線や太鼓など和楽器を操りながら、
日本の伝統的な風俗やお囃子、都都逸やジャズなんかに通じる酒脱な音楽。
昨年12月にlunaといっしょに天真庵でライブをやってくれた。抱腹絶倒というか
お祭りで味わう何かが憑依したような世界に包まれる。
昨日は「亀楽」の4代目と世界で唯一のオルゴリン奏者でもある豆奴さん、3代目の夫婦が
蕎麦を手繰りにこられた。
どうもその存在や系図なども「ねつ造」と、本人たちものたまわれている、「亀楽」
しかしながら、人間の根源的な琴線をおおいにふるわせ、こころの底から裸になるような
あの世界は、「ほんもの」といわれながら、ゆるかったり、ニセモノっぽいものが氾濫する昨今、
とても新鮮でここちよいものを感じる。
土産にもらったCDを聴いていると、幼きころ夢中になった山笠や提灯祭りや小倉の祇園太鼓のリズム、
京都のお祭りのお囃子などとともに、自分の人生を旅しながら振り返っているような気分になった。
その中に「げんげの唄(音頭?」なるものがある。富山にいくと、地元の居酒屋なんかに「げんげのてんぷら」
などというメニューがある。富山湾でとれる深海魚で、半魚人?というかヌメーとしていてグロテスクなんだが、
よくよく見ると、慈悲深い、かわいらしい顔をしている。てんぷらにした時の味は最高で、立山のぬる燗などで飲むと、
とまらなくなる。雑魚の中でも「下の下」といわれ、さげすまされた感のある名前だけど、美味なのである。
旅の途中にであったそんなげんげの物語を、4代目が唄にした。
48曲入っているCDにもう一曲印象的な唄がある。「きんたま踊り」
豆奴さんのおばあちゃんが、晩年入院している時に毎日のように、うわごとのように
「きんたま踊り」を口ずさんでいた、という話を聞いた。(ねつ造ではない)
厳粛な家で育ったばあちゃんが、晩年にそのような根源的な言霊を口にするのをヒントに
つくられた古くも新しくもない縄文的な祭事にも通じるような唄がおもしろい。
天真庵では3月2日(金)に、「女声で味わう江戸の艶物語」というライブをやる。
セックスとかエロティックなことが、氾濫し、映像化し、誰もがいつでもネットなどで
見られるようになって、ほんとうの「艶冶な世界」から遠ざかりつつある。
やはり男と女のことは、「ひめごと」で、スパイスのように隠し味程度にするのがよろし。
♪ゆらりゆらり ゆらりきんたまゆらして踊ろ(きんたま踊りのねつ造の唄 そんなニュアンスの楽しい曲) 鎮魂 南九