わがやのおうちゃくおせち

年末の3日間は「自分で年越しそばを打つ」と「持ち帰りの年越しそば」。
この10年の中でどちらも記録を更新した。
この5年くらいは、年越しそばを食べていない・笑 もっとも残っていても、それを
ゆでる元気は残っていない。少し贅沢だけど、年末にさばいたサバ、もとい寒ブリの
残りをさしみにしたり、伊勢の知人からおくられてきた伊勢海老をさばいてさしみにしたり、
火あぶりの残った炭で、山賊焼き?残酷焼き?にして、残り火に鉄瓶をのせ、錫のチロリに
剣菱を入れ、2合半ほど飲んだ。

起きて半畳 寝て一畳 どんなに飲んでも二合半      足るを知るの原点

それから輪島塗の三段重に、おせちを。
最初の重には、紅白のかまぼこ(年末は高くなるので、とんさま用のかまぼこを25日あたりに、赤白でストック)

二番目には、黒豆(キラキラ商店街の豆腐屋で丹波の極上の黒豆が売っていたので、29日に水につけ29日に
土鍋に「うめ星」を入れて炊く)
31日に珈琲の美しいお弟子様が「きんとん」をもってきてくださったので、横にそれをいれる。
きんとんは金団と書き、黄金色しているので、「お金持ちになる」縁起からおせちにはかかせない。

三番目は「おにしめ」。自慢の「がめ煮」(筑前煮)と、出汁でつかった昆布と椎茸の佃煮。
これだけあれば三が日、朝から家の火鉢に薬缶を載せ、角居くんの錫のチロリに酒を入れて、
本を片手にひがな酒でも、大丈夫。
そして、「そばやの卵焼き」  卵3つ(八郷の暮らしの実験室の極上たまご)にそばつゆプラス砂糖適宜。

さきほどの「きんとん」が最高にうまかった。天真庵で販売している「能登の米飴」を砂糖がわりに
つくったとか。能登の松波という風光明媚な港町に、500年の歴史のある米飴がある。
そこは、能登杜氏の発症の場であり、「いしり」というイカでつくる醤油の発症の地、だといわれている。
「発酵」の原点があるようなところ。米飴は読んで字のごとく、砂糖をつかわず、米と大麦だけでつくる。
この飴を食べたら、「これまで食べてきた飴はなんやろう」と思う。このあたりの「こだわり」を
自分の舌で確かめてほしい。人生が10倍楽しくゆたかになる。

それと年末に「いぶりがっこ」が入荷した。これは秀逸ながっこ(お漬物)。近所の「酔香」さんの親戚が毎年つくってくれる。
般若くんから「赤かぶ」も届き、酒のみはたまらない酒肴のオンパレード。

今日から営業がはじまる。5時に起きてばんばん元気な「初そば」を打った。