茄子と南瓜

昨日は二階で煎茶のお稽古をした後、夜はかっぽれだった。

10月は木庵(もくあん)の軸がかかっている。「初祖 達磨大師」と揮毫してある。
さすが、黄檗三筆のひとり。黄檗禅は、曹洞宗、臨済宗と並ぶ禅宗で、達磨さんを初祖とあおぐ。
黄檗禅を日本に初めて紹介したのは、隠元和尚。むろん黄檗三筆の筆頭であり、禅とお茶と精進料理の
原型ともいえる普茶料理を伝えてくれた。「普(あまねく)く、大衆に茶を施す」という願いとこころのこもった料理である。

隠元さんはその時に、名前の由来になったいんげん豆と南瓜も日本にもってこられた。いんげんの胡麻和えや、茄子の天ぷら
などが精進料理によく登場するのもそんなことが起源である。

昨日のかっぽれは新しい演目をお稽古した。「茄子と南瓜」
ゆーちゅーぶで検索するとでてくる。昔からお座敷では端唄などの演目としても人気が高い。
すこぶる単純な踊りであるが、そんな日常に畑で「そんたく」する代表選手みたいな野菜を
主人公にする視線がいい。またこんな単純な踊りをこころはだかにして踊れる、というのがいい。
ときどきは「バカになりきる」というのが大事ではなかろうか?

スマホやバーチャル世界でひがな時間をつぶせる時代に、「モノとかコト」とか、
自分で体験したり、こころこめてつくったり、のモノコトがとても大事やないかと思う。
実りの秋を迎えた。何か自分で野菜を収穫したり、果物も収穫したり、キノコを採ったり、
魚をとったり、その魚の疑似餌を自分でつくったり、山にのぼったり・・・そんなことを
することが大事な秋かもなんばん。鴨もそばも美味くなってくる。そばも自分で打つと
10倍うまい。

今日は「ダメから始める中国語」。まいこ先生は、今年結婚して、名古屋の蕎麦屋の女房になった。
毎月一度、名古屋から上京して、中国語を教えてくれる。「大いなる二股暮らし」
福の会の福田先生も先月栃木に移住した。来月から月に一度のペースで上京して「福の会」
をやってくれる。

昨日、能登からお茶のお稽古にきた三輪福さんも昨年能登に移住して、そこを拠点としながら全国を
舞台に奉納舞や各種イベントで、日本の古き伝統の「こころ」を人に伝える仕事に尽力されている。
どんな時代であっても「元気なやさしさを伝える人」が活躍できる時代はいい時代である。感謝。