ほととぎすが飛んできた

家の小さな庭にほととぎすがいっぱい飛んでいる。鳥ではなく、薄紫色した華憐な花。
一輪を掛花などに投げ入れると、まるで鳥のほととぎすが飛んでいく風情があり、昔から茶人が
茶花に好んだ。

毎週金曜日は茶の先輩が花をもってきてもらう。なき母堂さまが花の先生で庭には季節季節の茶花が
みごとな季語をうたうごとき。先週は秋海棠をもってきてくれた。これもまた茶人好みの花だ。
古人たちは、春さく海棠に似た花と秋の酒を連想した。美しい女性が甘酒や秋の酒にうなじを
ピンク色に染める。まさに秋海棠はそんな艶冶な姿に酩酊したのだろう。酒がすすむ秋だ。

そろそろ「初嵐」の季節。秋から冬にかけ、木枯らし一番が吹くように、白い椿が凛とした空気の中で花を咲かす。
その椿の花を「初嵐」と命名した風流さに感謝したくなる。一昨年、常連さんの庭からいただいた椿(品評会で賞をとった)
を庭に植えた。3枚だけ葉っぱを残し、挿し木みたいに土に植えた。昨年はうんともすんともいわず、でも葉っぱが
緑だったので希望をもっていた。今年の春に新しい葉が3枚増え、秋にまた三枚。いつ咲くのかしらん、とまさに一日千秋の思い。

昨日は「不思議なビー玉」の実験を、仕込みをしながらやっていた。ごはんを久しぶりに一合電気釜で炊いた。
一合だと玉が少し顔を出す。でもできあがりは、つやつやしていて、やはりたっていた。かんずめのズワイをあけ、
卵ふたつ割入れ、ネギを空中切り(そばやはねぎをまな板なしで切る)、甘汁醤油を入れ、ささと油を熱したフライパンに入れ、
かきまぜ、ふわふわの状態で、銀シャリの上にのせる。まさに天真飯。どんぶり飯をかきこむ幸せ。

漬物は実験積み。昨日は甘酒もやってみた。やはり発酵系のものは結果が如実にでる。お酒や珈琲も違う次元に誘ってくれる。
昨日は手前味噌にも玉を投げ入れていた。来週の月曜日は、一味違う「味噌汁」の卵かけごはんになるに違いない。

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