昨日は「おとこ かっぽれ」。もうかれこれ8年くらいやっていることになる。
女子はまだ一年くらいだけど、男子の3倍くらいの人数になり、活気もある。
幇間芸(ほうかん)というのは、そもそもは男の専売特許みたいなものであるが、
生命力にあふれる女子が席捲している。お茶もお花も、同じようなことがいえる。
まわりの友達が、現役を引退して、田舎にひっこんだり、東京でブラブラしたりし始めた。
会社をうまく経営し、株を売ったりして悠々自適なんとか、大手にいて退職金がいっぱいでて
余裕の人もけっこういる。でも余裕のある人たちは、だいたい「お金にものいわせて遊ぶ(暮らす)」ことを
標準にしているので、自分の手を動かして何かを創造する、とか、体を動かしながら汗をかく、
なんていうことから遠い人が多いような気がする。引退した後に退屈しないコツは、
毎日コツコツと体を使い、頭や体をつかって、自分ひとりででき、一生の残りの日々を費やしても悔いのない「何か」を見つけることだ。
そういう意味では「お茶」とか「お花」なんていうのは、お点前の順番をおぼえる、とか、上手にできる、とか、うまく投げ入れる、とかハウツーの範囲を
超えて、「どう生きる」かという問いを自分に課せるような「哲」があるので、おもしろい。お金で買えない「コト」が多いのもいい。
蕎麦を打ち始めたころ、最終章をこんな風に考えていた。
朝まずめに30分釣りをする。
帰ってきて20人分のそばを打つ。
蕎麦が売り切れたら、おしまい。晴れていたら畑や山にいき、
友が訪ねてきたら、煎茶を一服する。晴耕雨読。
夕方になると若いお弟子様がやってきてお店は交代。
ぼくは、カウンターに座って、沈む夕日をみながら朝釣った魚をつまみに酒を2合飲む。
そんなことができる場所を旅の途中で模索してきた。